昨夜の業務試写で観せて頂いた、私と同い歳にして同じ熊本市出身の行定勲監督(以下「勲ちゃん」)の新作。

今までは割りと若者の話ばかり撮っていた勲ちゃんが、「そろそろ今の自分と等身大の人間の話を撮ってみるか」てな感じで作った映画で、その気合いは感じられました。

何と言っても、奥さん役の薬師丸ひろ子がいい味出してましたね。『三丁目の夕日』にしても、彼女は年相応の役でいい味出せるようになりましたな。

主人公のトヨエツも、ダメダメ亭主を「いかにも」な感じで好演。「イヤらしいやろ~」のセリフが合う役柄です(前半は)。

ちょっと気弱な濱田岳と、突っ走り気味の水川“エネゴリ君の相棒”あさみも「いかにも」だが、石橋蓮司のオカマは強烈でしたな。

若干テンポが悪いと言うか間延び気味(特に後半)だったのがちょっとキツかったです。勲ちゃん、そろそろ上映時間を2時間以内に収める習慣を身につけた方がいいかも。「50代以上の人が観れる映画を作りたい」んだったら、なおさらでしょう。


しかしながら、舞台劇の映画化ということで、その良さを活かしながらの、勲ちゃんの「大人のドラマ」への初挑戦は大成功したと言えるでしょう。