とは言っても、この映画のサントラは、アメリカでは配信限定。日本では一応CDが出る予定はあるという情報をさる筋から入手しましたが、正直言って微妙…。有り難いことに、マスコミ用のサンプル盤(と言ってもCD-Rですが…)を頂きました。
作曲は、『M:I:Ⅲ』やテレビの『LOST』などJ.J.エイブラムスとのコラボなどでおなじみのマイケル・ジアッキーノ。『レミーのおいしいレストラン』などでピクサー・アニメも担当済み。
メインとなる曲は2つ。カールじいさん(と彼の亡き妻エリー)のテーマである優しげなワルツと、オールドスタイルの歌『The Spirit of Adventure』。主にこの2曲のメロディが、シチュエーションに応じて様々にアレンジされて流れます。伝統的な映画音楽の王道と言える手法ですが、映画に対する効用音楽としてはやはり正解だと言えるし、同じ曲(に聞こえてしまうような曲)が最初から最後まで流れまくる最近の映画と比べると、圧倒的にその良さが実感できます。特に、クライマックスで力強い曲調となって高らかに鳴り響くカールのテーマは、実際の映画から離れて曲だけ聴いても鳥肌モノ。
時々、映画音楽の巨匠ヴィクター・ヤングがオスカーを受賞した代表作にして遺作『80日間世界一周』の前半の気球のシークエンスの音楽を思わせる曲調になるが、恐らく狙ったものだろうし、映画音楽の大先輩に対するジアッキーノの敬意の表れでしょう。
聴いているうちに、映画の方ももう1回観たくなってきました。これは、やっぱりきちんとした形で発売しないと、もったいない!