中学生の娘を暴行された挙げ句に殺された父親が、犯人を突き止めて復讐する・・・という、いかにも東野圭吾らしい、重くて救いのない話。


娘の復讐をする父親の話って結構多いし、実際そんなことになったら「犯人、ぶっ殺しちゃる!」というのは、父親としては当然のリアクション(?)なので、物語自体にはあまり新味が感じられない。被害者も加害者も未成年っていうところが、いかにも今の日本の話って感じがしないでもないが、1年以内に何かそんな映画観た記憶が・・・。あ、『誰か守ってくれない?』・・・もとい、『誰も守ってくれない』だった。


父親役の寺尾聰は特に眼の演技が巧く、さすが親父さんの血筋だなと納得。刑事の竹野内豊も珍しく(?)いい感じの芝居をしてるし、先輩刑事の伊東四朗や中盤で完全に場をさらってしまった山谷初男なんかは、安心して見ていられる。


役者はそれぞれ頑張ってるんだけど、肝心の演出がひど過ぎる。テンポは悪いは、無駄なカットは多いは・・・。思っていたより上映時間は短かく2時間弱)のに、体感時間は2時間半以上。ただでさえ重い話を余計観づらくしてどうする?


しかし、一番シンドかったのは、ドツボな精神状態で、しかもうちの娘の誕生日の前夜に、こんな映画を観たことかいな・・・。