久々の更新です。

 

最近よく考えるのが、介護の「専門性」について。

 

僕の中では三好春樹さんの考えにとても納得していて、それを自分なりにいろんな角度から考えてみて、仲間と喋っていて、こういうことなのかな?って少しずつまとまりつつあります。

それを整理したくての更新になります。

 

まず、三好さんのいう「介護の専門性とは振り回されること」。

これが僕の中では大前提になります。

 

振り回されて、右往左往慌てて、結局何も仕事ができなかった。

といういう意味の「振り回される」ではありません。もちろん。

 

目の前のお年寄り一人ひとりへの個別ケア。

不測の事態に慌てることなく落ち着いて、相手を不安にさせることなく対処できる。

一見めんどくさいような、何度も繰り返される要求に対し、苛立つことなく歩調を合わせられる。

こないだうまくいった方法が今日は通じない、を楽しめる。

 

そんな、どんな状況でも(もちろん大変なこともあるけど)面白いと思える、小さな変化に喜べる、それが介護の専門性じゃないのかなというのが僕の土台にあります。

 

では、「専門職」としてはどうなのか。

専門職として自信とプライドもって、ご本人や家族さんの疑問や不安に、根拠をもって説明、納得してもらえる人は一体どれぐらいいるんでしょう。

 

医者も看護師もPTもSTも、鍼灸師も美容師も、世の中の資格保持者はそれぞれその分野のエキスパートで、患者やお客さんもそう思っているから、分からないことや不安なことがあったらその分野の資格保持者に相談したり助けを求めたりしますよね?

それに対して(レベルや人柄の差はあれど)資格保持者はその方に適したアドバイスや治療、施術を行いますよね?

 

じゃあ介護福祉士は?

 

残念ながら、一般定なイメージとしては、まだまだ専門職と認識されてるとは言えないんじゃないでしょうか。

 

病状の説明や治療に関しては医師

医療的ケアに関しては看護師

薬のことに関しては薬剤師

リハビリに関しては理学療法士、言語聴覚士、作業療法士

食事に関しては栄養士

食べることに関しては歯科医師、歯科衛生士

 

で、介護士は?

 

専門的なところじゃなくて、車椅子おしたり、トイレに連れていったりオムツ変えたり、お風呂にいれたり着替えさせたり、要はお手伝いさんのイメージが今でもかなり強いのです。

元々、そういった専門的な知識が必要ない(と思われてた)部分での仕事に対して資格を与えたわけなので、イメージとしては致し方ないのだと思います。

 

でも実際、介護福祉士として働く本人がそのつもりでは困ります。

ご本人や家族さんに「それは私はわからないのでその専門の人に聞いて下さい。」「いつもこうしてるのでこういうものです。」って、恥ずかしげもなくさらっと答えてしまう人が多い事が悲しい。

もちろん、その分野の専門職に聞くべき時もありますが、勉強してれば説明できるよね、もうちょっと考えたら要望に応えられるよねって事が多々あります。

 

資格保持者本人が専門知識や技術は必要ないと思ってる人が多いから、言葉は悪いですが介護士、介護職はなめられるのです。

いや実際、そういう向上心もって取り組んでいるプロ意識の高い人がたくさん活躍してるのは知ってます。

でも自分の周りを見てるとまだまだ足りないと思います。

 

僕は、介護士こそ上に挙げた専門職のすべてを勉強し、理解し、その上で普段その人一人ひとりに一番深く関わっているんだから、それぞれの人に合わせてどの専門知識や技術を使うのか、それをコーディネートして実践していくプロが介護福祉士なんだと思ってます。

だから介護福祉士って本当はすごく奥が深くてレベルの高い仕事なんじゃないでしょうか。

 

必要な部分を他の専門職から学び、それを実際現場でどう実践するか?ご本人や家族さんに、きちんとその根拠を説明できるか?

なぜそのケアなのか?なぜその福祉用具を使うのか?なぜあの人は使ってるけどうちの人は使わなくていいのか?

順序立てて根拠を説明し、実践して納得してもらう。

 

その結果、ご飯がいつもより食べられるようになった、トイレに行けるようになった、寝つきがよくなった、おしりの褥瘡や剥離がなくなった、不穏がちだったのが落ち着いてきた、喋るようになった、笑うようになった、活き活きとしてきた。

 

そんな変化がみられれば、ご本人も痛くない、辛くない、嬉しい、楽しい。

家族さんも喜んでくれる。

 

そしたら、あぁ、またあの介護士さんに相談してみようと思ってもらえる。

頼りにされたらそれに応えたいと思うから、不足してる知識や技術を勉強したり、他の専門職に教えてもらおうと思う。

 

他の専門職も、そうやってるうちに「ねぇねぇ、あの利用者さんってこういうときどうしてるの?」とか、「あの人にこういうケアってどう思う?」とか、個別に対してのことはこちらに相談してきてくれるようになる。

そうなって初めて「お手伝いさん」から「専門職」になるんだと思うんです。

お互いの専門性を理解してリスペクトして、必要な部分はそのエキスパートに安心して任られる、教えを乞い合える関係。それがチームケア。

 

そのチームに不可欠な存在として、同じ立ち位置に立てる介護士がもっともっと増えて欲しい。

 

だから僕は勉強会を主催するんです。

 

ぶっちゃけ、家庭の事情で地元に戻ることになり、今年末で今の施設は離れるのですが、「わざわざ辞める施設の為に頑張らなくても」とか、「この施設で上目指すわけでもないのになんでやるの?」とか思われてるかもしれませんが。

 

立場とか上とかどうでもいいんです。

僕が勉強会をやる理由は2つ。

 

目の前のお年寄りに嫌な思いや痛い思いをさせたくないから。

どうせ自分は去るんだからといっても、それまでの間お年寄りが不快な思いをしてるならほっとけない。少しでも気にしていいケアをしようと思ってくれる人が、今よりも一人でも二人でも増えてくれたらそれでいい。大抵はみんないいケアを知らないだけだから。

知っててやらないのはただの怠慢。

自分が信念持ってそれを続けていけば、いつかもっと増えるだろうから。

 

自信とプライドを持った、優しい介護職が増えてほしいから。

他職種から頼りにされる介護士が増えてほしいから。

介護職の専門性に気付いてほしいから。

 

よく「誰でもできる仕事」と言われますが、誰でもできる仕事しかしてないうちはプロではないと思うんです。

おお!さすが!って思われて初めてプロでしょう。

 

誤解を招くといけないので言っておきますが、僕が今まで働いた施設でも、今の施設でも、さすが!とか、すごいなぁ…と思う人はいます。

あの人がこうやってるんだから、僕もそうしようとか、あの人だったらうまくいくのに、どうやってるのかな?とか、その人の対応の仕方や技術を自分もしたいと憧れる人、プロだなぁと思う人です。

でもみんな共通して、それが部下や後輩にあまり伝わっていないんです。本当にもったいない。

素晴らしい対応力や優しさ、技術を持ってる人は、その想いと根拠も一緒にもっともっと部下や後輩、チームに伝えてほしいなぁと思います。

 

長くなりましたが、昨日飲みながら仲間と話していたことを整理できました(笑)

飲んでても真剣に仕事の話ができる仲間がいるんだから、介護職はもっともっと上がっていけると信じてます!