熊野古道旅、2日目。
今日の行程は
紀伊田辺駅からバスで滝尻王子へ向かい、
近露で一泊するというプラン。
約15キロの旅路。
さあ、歩く日が来た。
朝6時16分発のバスに乗るため、早起き。
紀伊田辺駅目の前のホステルを取ったので
30分くらい前に起床し
前日にセブンで買った朝ごはんを詰め込んでバスを待つ。
まだ夜明け前の紀伊田辺駅。
ここから目指すのは熊野古道中辺路の起点、滝尻。
紀伊田辺駅から滝尻までは40分ほど。
なんだか落ち着かず、キョロキョロしながらバスに乗る。
40分後。
中辺路の起点、滝尻に到着。
バスを降りたのは私ともう1人の外国人のみ。
急に不安になる。
まずは滝尻王子でお参りを済ませる。
そして今回の旅でちょこっと大事な巡礼手帳にスタンプを押す。
滝尻王子の横にはサインが。
よし、出発だ。。
と意気込んだのに、どこへ向かえばいいかわからない。
観光協会でもらったマップ慌てて取り出す。
滝尻王子の左側から古道に入っていく模様。。
では、改めて!と歩き出すと、
目の前にそびえ立つ、急勾配。
これは道ですか??
なんとなく誰かが踏み固めたような跡はあるけど
これは私の知っている道ではない。
と言うわけでここから、
私の熊野古登山 がスタートした。
すっかり運動をしなくなり半年、
ちょっと登るだけで吐きそうなほどの動悸が。
森の中で本気で気持ち悪くなりながら、ちょっと考えてみた。
「ここで倒れたら、本気で人生終了。
誰もいない。助けは来ない。
どうする?やっぱりやめる?
引き返した方がよさそう。
なんか森で1人とか怖いし。
ていうか、せっかく貴重な休みを裂いて、
和歌山まで来て辛い思いする必要ある??
でも私がやりたいって来たところだしなあ。
でもさ、せっかくの年末休みは楽しさが優先じゃないかなあ、
でもずっと来たかったよね、でも、でも、、、」
動悸が落ち着き、冷静になった自分に言い聞かせる。
引き返すなら今。
引き返さないなら近露まで歩く。
時計を見ると、まだ8時前。
…じゃあ、もう少し歩いてみる?
ということで、「もうちょっと」歩いてみることを決意。
たまにある標識を見ながら、一生懸命進んでいく。
文字どおり、命懸け。
ゼーハークラクラしながら
起点の次のサイン「1」にたどり着いたのは30分後だった。
これ、本宮大社まで75くらいあるんだよね、、、
さらに血の気が引いた。
1時間歩いてもたいして進んでいない。
やっぱりあの時引き返せばよかったんだよ、と思いながら
誰もいない森の中を進んでいく。
たまに道らしい道もあるけど、
1人だから怖いし、とてもトレッキングを楽しむ気分にはなれなかった。
途中、山を抜けると高原に到着。歩き出してから3時間後のことだった。
この間、誰にも会っていないよ。恐怖。
高原の休憩所でパンを食べながら、
この先どうするかと小さく絶望した。
そして、今日は近露まで歩くけど、
明日は近露から発心門王子までバスで行き、
発心門王子から本宮大社まで歩こう、
と決意した。