母はきちんとしているように見えて、だらしなかったり忘れっぽかったり、つまらない嘘をついたりした。

一番嫌だったのは、きちんと謝らない。

ごめんね。が言えない人だった。


ごめんごめーん。など軽いものなら言うこともあったけれど、

本当に心からのごめんなさい。を言うことがなかった。


だいたいは逆ギレや言い訳、はいはい。などの返事だったりを繰り返してその場をおさめようとした。



高校の受験票を

「あなたはだらしないからなくすといけない。私が預かっておく」

結果、どこにしまったかわからなくなり、受験票が出てくることはなかった。


わたしは学年集会で先生に怒られる羽目になった。

だから自分で保管するといったのに…。


高校生になって、ヘアケア用品や化粧品、といっても当時はリップや色付き乳液くらいのもの。を買って、棚に並べていた。


友達とお揃いで買ったもの。

帰宅したら全部なくなっていた。


母が勝手に捨てていた。

「こんなもの!!まだ早いんだよ。必要ない」


父もこういう事をしていた。

集めていた漫画を全部捨てたり、こういう物があるから悪い。


だから勉強しなくなる。怠けるようになる。


友達とのこともそうだけれど、取り上げても何も変わらない。


それからも、手帳を盗み見したり、靴を勝手に捨てたり、朝からビンタされ、わたしもやり返したり、そんなことが沢山あった。


いい子ではなくなったわたしは、高校も行かなくなり、親が学校に呼び出されたり、煙草を吸って謹慎になったり、夜も出掛けて、段々家にいる時間が減った。

高校を卒業した頃には、諦めてきたのか色々言ってこなくなった。


母にこう言われた事があった。
「あなたは失敗作。実験に失敗したのよ。弟はあなたの失敗を元にちゃんと育ってよかった」

あ、そうですか。と思った。わたしも色々と諦めていた。


母とわたしは一緒に出掛けたり、色んな話しをしたし、仲良し親子に見えていた人もいたかもしれない。

顔も声も似ているって言われていた。


お母さんと仲悪いなんておかしいことだから、仲良くしなくちゃ。と思っていたのかもしれないし、

わたしにとって母はこの母ただ一人。


だからいいとか悪いとか思ってもどうしようもない。


家族、特に父は、母とわたしは仲が悪く、一緒に居続けることはない。

と思っていたようだ。

祖父も、毎日のように喧嘩をするわたし達を見て、

この2人は取り返しの付かない間違いを起こすかもしれない。

この先一緒にいられるのか。


そんな事を言っていた。

ずっと昔から、母とわたしは、お互いに本当に心から思っていることは1度も話したことがない、

伝えあったことがないのかもしれないと思う。