早くに見終わっていながら、なかなか書けずにいたドラマ『パチンコ』

やっと、宿題に取りかかれた感じです。驚き



原作は、ニューヨークタイムズのベストセラーに選ばれた、在米コリアン作家ミン・ジン・リーの小説。
アメリカ資本で作られたアメリカドラマということで、ブログの分類も海外ドラマにいれました。
アメリカでは、放送映画批評家協会賞の最優秀外国語ドラマ賞を受賞しています。

主人公ソンジャを中心に、一家4代80年の壮大な物語です。

日本統治時代1915年、物乞い同然の生活から脱け出す為に縁談に飛び付いた娘。相手は、足こそ不自由だったが優しい男で、やっと授かった一人娘ソンジャを慈しむ。父親亡きあと、母と二人下宿屋を切り盛りするソンジャ。
仲買人として釜山に来ていたハンスと知り合い、恋に落ちる。
やがて妊娠。ハンスは喜ぶが、実は日本に妻子がおり、恩ある人の縁だから離婚は出来ないと言う。生まれる子とソンジャの面倒はみる、と約束するが、ソンジャは良しとせず、ハンスと別れ、一人産み育てる決意をする。

下宿屋に着くなり病気で倒れた男イサク。母とソンジャの看病のおかげで回復する。彼は大阪に行く予定の牧師。
ソンジャの事情を知りながらも、一緒に日本へ行こうとプロポーズする。
イサクの兄ヨセフを頼り大阪へ。
兄嫁キョンヒは、ソンジャを温かく迎えてくれる。ソンジャは男児を出産、ノアと名付ける。
伝道師として、人々の信頼厚いイサク。やがて、次男モーザス誕生。
喜びもつかの間、イサクは治安維持法違反で捕まってしまう。

ソンジャの物語と平行して、ソンジャの孫ソロモンの物語も描かれます。父モーザスはパチンコ店経営で成功するも、息子ソロモンには、広い世界に出てほしいとアメリカへ留学させます。
ニューヨークで大手銀行に就職したソロモンは、
昇進を条件に東京での取引を成功させるため帰国。ソロモンの東京での仕事は、在日一世の持つ土地を買い上げること。契約に失敗するソロモン。兄妹同様のハナは、父モーザスの恋人えつ子の娘だが、今はエイズの為死の床に。
在日三世になるソロモン、ハナたちにも差別の厳しい現実が有ることも描かれてます。


賢い少年に育ったノアのその後は?
警察に捕らえられたイサクのその後は?
と、一番知りたい疑問を残したままドラマは終わり。えーん
二部の完成まで待ちきれず、小説上下二巻を目下読書中です。

このドラマに興味を持ったのは、ナ・ヨンソクPDのバラエティー番組『ヨジョンの思いがけない旅程』の中で、ヨジョンさんが、アメリカのテレビインタビューを受けるにあたり、歴史事実や認識に間違いが有ってはならないからと、メモとは言えないほど沢山の準備をされていたのがきっかけです。

日本統治時代の韓国、大阪コリアンタウン、ハンスが遭遇した関東大震災での朝鮮人虐殺、在日コリアンへの今なお有るヘイト等々、正直言って、辛い思いのするドラマではありました。
(そこまで!と思える言い回し等も…。私が知らないだけで現実に有るのでしょうね。えーん)

なので、人気者イ・ミンホ出演とはいえ、日本ではさほど話題にならなかったのもうなづけます。

オープニング曲は耳に覚えのある懐かしのポップス。“Let's Live for Today”