
少年犯罪という重いテーマを扱った『未成年裁判』
少々辛い場面もありますが、底流にあるのは、あくまで被害者に寄り添う心。
毎回、被害者の写真を判事席に置く主人公に、共感して観ていました。
クリスマスで賑わう街、血痕をつけた少年がさ迷っている。警察署の前、不審に思った刑事が、「誰にやられた?」と声をかける。
その問いに、「僕は人を殺した。」と、凶器を差し出す少年。供述通りに、ビルの屋上から遺棄された遺体の一部が見つかる。少年は13才の触法少年、被害者は小学生!
少年部判事の仕事についてインタビューを受けるシム・ウンソク判事。
「少年法の本来の目的は、非行少年の環境整備と品行の矯正、健全な成長。なので、処分後の監督管理も判事の仕事です。」と。
最後にインタビュアーは、何故少年法の判事になったのかと質問。ウンソクは「嫌悪」と。「私は非行少年を憎んでいます。」といい放つ。
ヨンファ地方裁判所に赴任したウンソク。同部屋の左陪席はチャ・テジュ判事。
小学生殺人事件を担当することになったウンソクに、部長判事カン・ウォンジュンは実力を見せてくれと言う。
触法少年による誘拐・殺人・死体損壊・死体遺棄、処罰は少年院2年収容が精いっぱい。
少年法の最も重い10号判決をいつも下すウンソクに付いたあだ名は“10判事”、はたして審判の行方は?
冷徹なウンソクにはキム・ヘス
彼女がこれ程までに非行少年を嫌悪する訳は、視聴者がおおよそ想像する通りで、それはラストに明かされます。
温情派の判事テジュには大好きなキム・ムヨル
彼自身、少年期に罪を犯した過去があり、高卒認定試験を受け司法試験に合格した努力家。
カン部長判事にイ・ソンミン
その彼が、自らの野心に負けて不正に手を染めた時、ウンソクとテジュは告発します。カン判事が政界進出を願ったのも、少年法改正の為で私利私欲の為ではないと解っていても、手段を誤れば目的も汚れると。
かつて自分が指導した少年が、判事になり部下として赴任すると知った時、そのテジュに恩人でしたと告げられ別れる時、カン部長は、“フッフッ”と声にならない息づかいの笑いを漏らします。イ・ソンミンさんにしびれたシーンです。
冒頭の少年事件の他にも、家庭内暴力、民間保護施設、試験問題漏洩事件、集団性暴行事件等々、
少年の絡む犯罪の真実を暴くため奔走するウンソク達を描いていきます。
父親の暴力に傷ついた少女には、“よく耐えた、えらいわ”と優しく頭を撫で、性被害の少女には“貴女は悪くない、堂々と前を向いて”と話すウンソクは、ただ冷徹なだけではないとわかります。
ラスト、ウンソクの暴走は懲戒の対象になりますが、寛大な処分を頼んでくれるカン元部長。
問題を起こす少年達には、必ずと言っていいほど家庭に問題があり、親の努力なしに子供は変わらないと言う判事。しかし、問題ある家庭の子供が、全て非行にはしる訳でもなく、やはり本人次第となるのでしょうか。
驚いたのは、冒頭の少年を演じたのが大人の女優イ・ヨン
見応えある社会派ドラマでした。



