1979年、朴正煕大統領暗殺事件前40日を再構築した映画です。もちろん映画的脚色もありますが、当時中央情報部長という最側近だったキム・ジェギュ(役名キム・ギュピョ)が凶行にいたるまでのヒリヒリするような心理が描かれています。

南山タワーで有名なソウル南山は、1961年軍事クーデターで政権を握った朴政権が韓国中央情報部(KCIA)を置いた場所。南山の部長とは、大統領に次ぐNo.2中央情報部長を指します。

ギュピョの前任部長ヨンガクが、ワシントンで全世界に向けて軍事独裁政権の実態を告発。大統領周辺は静かに事を納めたいギュピョと、警護室長を代表とする強硬派に別れます。
ワシントンに飛びヨンガクと接したギュピョは、彼から本当のNo.2は別にいると教えられます。
アメリカの思惑、警護室長の横暴…
ギュピョが暗殺という手段に至るまでの心理描写が見事で、見る側の緊張感も文字通り手に汗を握る状態。滝汗

私的一番印象に残ったシーン。犯行後部屋を出るギュピョが血糊に滑って転ぶシーン。
落ち着いているように見えて、心底動揺している
様が現れています。
演じるイ・ビョンホン、神がかった演技との評価も納得です。凄いとしか言えないわ。

釜山、馬山での大規模な民主化運動を制圧するために戒厳令を出すべしという警護室長、反対のギュピョ。大統領は発令を指示します。
その時のおぞましい会話“カンボジアでは300万人が死んでいる。100万や200万を戦車で轢いたからってどういう事があるか”
実際に後の裁判で証言されています。
愚かな独裁政権の怖さよ。

映画の中で何度も交わされた言葉、“命をかけ何故革命をしたのか”
ギュピョもヨンガクも大統領も答えていませんが。

大統領役イ・ソンミン、ヨンガクにクァク・トウォン、警護室長イ・ヒジュン。