「どうして今頃になって鉄道に興味を持ち始めたのだろう?」という疑問がずっと頭に留まっている。もう高齢者の仲間入りをし始める年齢になって、1年半前から俄かに鉄道オタク的な趣味を持ち始めた。それまでは全く鉄道に興味を持ったことはない。それがなぜ突然鉄道オタク的な人間になったのか?思えば、それまで鉄道に全く関心がなかったという訳ではない。私は四国の高知県の片田舎に生まれて、今は同じ四国の愛媛県松山市に住んでいる。高知の田舎では、小学5年生の頃にやっと国鉄の汽車が実家の近くに通るようになり、その列車のガタゴトという音を聞くのが楽しみであった。鉄道開通の前には、工事が完了して列車がまだ通っていない高架の線路を通って、隣村で上映されていた映画「ゴジラ」を見に行った覚えもある。高校生になると高知市内で下宿することになり、どちらかというと自転車より電車に乗ることの方が好きであった。松山では、いつの間にか、踏切の警笛が鳴るたびに遠くを走っている電車の通過を待ちわびている自分に気づくようになった。その踏切の音は、どこか潜在意識の中に眠っていた鉄道への憧れを呼び覚ますようなものに感じられた。
子どもの頃は、高知の実家の周辺に住んでいた親戚は、ほとんど大阪に居を構えることになった。その親戚達は盆や正月に汽車で帰省すると、決まって都会の味や匂いを田舎にもたらした。汽車はそれを運ぶ役目をしていて、今思えば、私にとって汽車というのは都会の象徴だったのだろう。確かに少年の頃は、汽車が走っている音を夜のしじまで聞くと、都会に向けて旅立つ時のような小さな興奮を覚えたものだ。そこには鉄道が関係した妄想があったと思う。人口50万ほどの一地方都市にしか過ぎない松山に長年住んでいても、私にとってここは都会であるという感覚がある。それだけ私の住んでいた田舎は寂れた田舎だということになる。踏切の警笛は、そんな田舎者のコンプレックスを解放してくれ、近づいて来る電車を迎え入れる時は、さらに違った都会に連れて行ってくれそうな錯覚を覚える。ここにも、鉄道が関係した妄想があるように思う。考えてみると、少年の頃から心の奥に積もって来た妄想の中に鉄道に関係するものが結構あって、最近になって、それが電車の踏切の音など何らかの作用で呼び覚まされてきたのではないかと思われる。ともかく、私にとって鉄道は想像の中でワクワクの世界を広げてゆけるモチーフとなっている。
(愛媛の予讃線(伊予灘線)を走る観光列車「伊予灘ものがたり」を、色鉛筆風のペイントアプリで描いた絵)
前置きが長くなったが、そんな訳で、もっと鉄道に関する知識や興味を広く深めていきたいと考えて、「妄想てつたび記」というブログを書こうと思い立った。「てつたび記」とは「鉄道旅日記」を略したものだが、実際に鉄道旅行をする訳ではない。残念ながら、今の私には乗り鉄を満喫できるような金銭的余裕も時間的自由もない。近くのJR線や私鉄の電車の撮り鉄をしているだけである。しかしそれでは全く物足りないので、行ったことのない全国の鉄道路線について、なるべく行ったつもりになって妄想の旅日記を書いてみようというのが「妄想てつたび記」である。「妄想」といっても、当然嘘八百の想像で書く訳ではない。行った経験はなくても、なるべく実際に近いリアルな記述にしていきたいと思っている。そのためには、テーマとして扱う鉄道路線等をよく研究しておく必要がある。その努力が鉄道に関する知識や興味を広く深めていくことに繋がると思っているので、このブログ作成はやりがいがあると思っている。つまり、「妄想てつたび記」を作成していくことが鉄道の学びを推進してくれることになるのである。
このブログは、訪ねてみたい鉄道路線ごとに記事を作成していくことになるが、そこには、路線の歴史や路線を走る興味ある車両の紹介、路線内で魅力的だと思われる駅や、路線で撮り鉄的に魅力的だと思われる撮影スポットなどを取り上げたい。ブログの表現方法としては、なるべく旅日記風にしたいので、解説的な書き方にならないように注意する必要がある。例えば、「⚪︎⚪︎駅には□□があるので、(行くことがあれば)ぜひ降りてみたいものである」とは言わずに、「⚪︎⚪︎駅には□□があるので、(想像の中で)降りてみることにした」と書くようにしたい。また、積極的に想像力も働かせて書いてみたい。四国松山の市内を走る「坊っちゃん列車」を紹介する記事であれば、「もし、観光列車として活躍している現代の坊っちゃん列車に夏目漱石が乗ったとしたら・・・」という妄想を織り交ぜて、夏目漱石が文句を言いながら今の坊っちゃん列車の特徴を語るといった表現にするのである。この辺りの工夫が難しいことになると思うが、なるべく肩の凝らないブログにしたい。鉄道路線の特徴を紹介する画像としては、なるべく自作のデジタル絵画を使用したいと考えている。著作権に注意して一般的な写真も使用したいが、色鉛筆画風や水彩画風、油絵風のデジタル絵画の方が「妄想てつたび記」には適しているように思われる。というのも、想像した光景を自由に描けるからである。今回の記事にはあるペイントアプリで描いた色鉛筆画風のものと油絵風のものを載せているが、あまり時間を取らずにサッと描けるのは色鉛筆画風なので、こちらの方が多くなると思う。
(日本アルプスを背景に走る富山県の汽車を、写真をもとに油絵風のペイントアプリで描いた絵)
ともあれ、あまり肩肘張らずに記事を長く書いていきたいと考えている。次回の「妄想てつたび記」から訪ねてみたい鉄道路線を取り上げてゆくが、その第1弾は、鉄道王国として有名な富山県の路線を予定している。鉄道に興味を持ち始めた頃から俄然関心を持ち続けているのが富山の鉄道で、いろいろ魅力が詰まっている。といっても、まだ富山鉄道の本当の魅力を理解していないと思うので、それが分かるように研究をして記事を書いてみたい。できれば、想像だけで書いた記事と比較して、実際に行って見た時の印象や感想が載せられるブログに育てていきたいと考えているが、ぜひ、いくつかの記事ではそれを実現したいものである。


