列車は高架を走る姿が良い。特に街中で通りや商店街を見下ろしながら走る風景が好きだ。それは決して空を飛んでいるという姿ではない。ちょっとだけ世間より上を飛んでいる。それはほとんど誰も気に留めないタイミングで姿を現し、誰も見送ることなく静かに姿を消してゆく。飛行機もそんな出現の仕方をしないでもないが、飛行機の出現は広大な空を背景に目に飛び込みやすい。それに比べて高架を走る列車は、人知れず現れスーッと消えてゆく。存在感を誇張することなく、さりげなく存在を主張しようとする姿は、街中のモビリティシステムというパーティに現れた紳士のようである。