さて、
日本旅行記もまだ途中ですが
陪審員の義務(Jury duty)に行ってきた話の続きです。
前回
【アメリカの陪審員】 (1)召喚状が届いたので裁判所に行ってきた
イメージ画像は米国裁判所事務局のサイトより
uscourts.gov
陪審員のオリエンテーションの日。
ちなみに私が行ってきたのは
連邦の裁判所ではなくて
州の裁判所制度の中の裁判所です。
州によって仕組みは多少違うようですが
おおまかにはそれぞれの州に
州の最高裁判所、
州の控訴裁判所、
州の地方裁判所、家庭裁判所、少年裁判所、郡の裁判所、などが
あるようです。
8時半に裁判所に集合で
窓口で名前を告げて出席の確認をされた後、
法廷内に入るよう言われました。
法廷に入る前には
空港のセキュリティ検査のような
ゲートがありました。
イメージ画像:いらすとやさんより
以下のイラストは全部いらすとやさんから拝借。
まあ、そりゃあ、、、
セキュリティゲート、あるよね。
突然、
被害者の親族が加害者を
刃物や銃で襲うかもしれないし。
でも
なんせ陪審員に召喚された人が200人くらいいて
みんな数珠つなぎにぞろぞろとセキュリティーゲートを通ったので、
誰かの何かが反応して
ブーブーと警告音がけたたましく鳴り始めましたが、
法廷警察官が
「いいから、いいから。
気にしないでそのまま歩いてくださ~い。」
チェックしなくていいのかな?
さすが田舎。
平和である・・・。
それにしても
法廷内って
日本でも入ったことないよ!
いや、中学生の時に社会科見学で行ったような気が・・・。
忘れたけど。
さて
今回の法廷は広くて、
100人くらい座れる傍聴席があった。
入りきれない人はビデオ回線でつながっている2階の会議室へ。
傍聴人席に座ってあたりを見回したところ、
前回書いた「異常に少ないヒスパニック人口現象」を発見・・・。
そして
時間になると
秘書官が前で説明を始めました。
秘書官
「今日は、朝からお越しいただいてありがとうございました。
窓口でお配りした紙にメールアドレスと電話番号を記載してありますので
質問があればご連絡ください。」
ここで
法廷警察官が
イメージ画像:米国国務省 e-ジャーナルUSAより
裁判官が席に着いたら
みんな着席。
秘書官が説明を続けます。
秘書官
「さきほどの紙にこれからの裁判日程が書かれていますが、
裁判が行われるかどうかは未定です。
案件がなければ裁判は行われません。」
私の心の声
「へー。そういうもんなのね。」
秘書官
「この日程の前日の17時以降に、
指定の番号に電話して、録音メッセージを聞いてください。
翌日に裁判が行われるかどうかをお知らせします。
裁判が行われる場合は、8時半に裁判所に来てください。」
ここで分かったのは
「開かれることがすでに決まっている特定の裁判」のために
陪審員として呼ばれたのではなく、
これからのある一定の期間(任期中)に
いつでも集合できるように体をあけておき、
(一応、日程は決まっている)
いざ、何かの事件の裁判が開かれることになったら
その日の朝、裁判所に集合し、
「VOIR DIRE(ヴォア・ディア)」と呼ばれる陪審員を選ぶ場に参加し、
陪審員として選ばれたら → そのまま裁判を傍聴、
陪審員として選ばれなかったら → 帰っていい。
ということでした。
州によっても若干違うようです。
※この期間に来られない事情がある人は
(すでに計画している旅行などでもOK)
秘書官まで連絡してください、
と言っていました。
そして、郡知事のあいさつと
保安官からのあいさつ。
みなさんの働きのおかげで我が国の司法制度が成り立ってています。
来ていただいてありがとうございます。
みたいな。
最後に裁判官からのあいさつとアメリカの裁判について説明。
要約すると、
すべての刑事上の訴追において、
被告人は、
公平な陪審による迅速な公開裁判を受ける権利を有します。
ただ、
刑罰の軽減と引き換えに有罪を認めることに同意する、
いわゆる司法取引が行われたりするので
陪審裁判なしで決着している訴追が大多数です。
陪審制度は我が国で健全に機能しています。
いえ、機能していないとなりません。
そもそもこの裁判所で行われる陪審裁判は
1日で終わることがほとんどで
陪審評議の平均時間は2~3時間くらいです。
映画やドラマのように何日も缶詰になる・・・みたいなことはありませんので
安心してください。
では、今日は大陪審のみを選びます。
ということでした。
さすがわが田舎の地域は平和なので
凶悪事件とかの大事件がないから
裁判もスピーディーに終わる!?
ところで裁判官が「大陪審」と言ったとき、
「は?大陪審って?」
と思ったので
後で調べました。
以下、米国国務省 2009年7月発行
e-ジャーナルUSA 第14巻第7号より
大陪審(grand jury)
市民によって構成される集団で、一定の任期があり、
検察官から提出された証拠を審理して、
犯罪が行われたかどうかを究明する。
大陪審は、その任期中に、多数の事件について審理を行うこともある。
証言の聴取と検察側提出の証拠の検討を行った後、
大陪審員の過半数が、
犯罪が行われ、名指しされた人物がおそらくその犯罪を行ったと判断した場合は、
その容疑者の罪を問う「正式起訴状」を発布する。
陪審(jury)
伝統的に 6 人から 12 人の市民によって構成される集団で、
正式事実審理において証拠を審理し、
評決(「有罪」または「無罪」)を下す。
陪審員が正式事実審理中に、病気などで能力を失い、
任務を果たすことが不可能になった場合に備えて、
一人または二人の補充陪審員が選ばれる。
↑
これが、いわゆる、映画やドラマで見るような
一般的にイメージする陪審員。
裁判官はTrial jury(裁判jury)と言っていましたが
大陪審(グランドjury)に対して小陪審(プチjury)とも呼ばれるようです。
そして、大陪審選び。
秘書官が
ランダムに名前を読み上げて
呼ばれた人が前に出ました。
私の名前は呼ばれませんでしたwww
大陪審はすんなり決定。
オリエンテーションは以上で終了。
大陪審に選ばれた人以外は今日のところは帰っていいです、
ということで
そのまま帰りました。
そして
裁判が開かれる日の朝へ
続く。