美作みづき。さんから
光徳天音君お借りしてます( *´艸`*)
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いつものように調理室に遊びに行った帰り、
月見里先輩から貰ったカップケ-キを手に持ちながら静まり返った廊下を歩く。
角を曲がったところで、自分のものとは違う足音が聞こえ
美野原琴は顔を上げた。
「光徳?」
前から歩いてきたのは光徳天音。琴のクラスメイト。
名前を呼ぶと、天音はチラリとこちらに目を向けた。相変わらず無表情。
「放課後に会うの珍しいねー」
「…」
「何かしてたの?」
「……別に。」
無表情で、無愛想で、無口で……って、やっぱり光徳は話しづらいなぁ。琴は眉を下げながら笑う。ちなみにそれは天音本人に何度も言った事があるが、「別に話さなくてもいい」なんて言われ、その度に琴はやはり笑うしかなかった。
「…それ」
「ん?」
「なに?それ?」
天音の視線の先にあったのは、先程貰ったカップケ-キ。その問いに、これは2年生の月見里誠先輩から作って貰ったんだよーと、琴はニコニコと答えた。
「……好きなの?」
「ん?カップケ-キが⁇好きだよ」
「………」
自分が聞きたい答えと違っていたのか、天音の眉間にシワが寄る。
あれ、珍しい。と、琴は少しだけ驚いて、少しだけ笑った。
「こうと…」
「あんたは、恋人は多かったかもしれないけど、」
「え?」
「…意外と、何も知らないんじゃないの」
「…え、何の話?」
「………」
「光徳?」
「…俺が、食べてあげようか」
そんな天音の言葉に
キョトンと。琴は首を傾げる。
天音はまっすぐに琴を見つめる。
「光徳もしかして甘いモノ好きなの?調理室に行けば貰えると思うよ?」
「……」
「これはあげないよー。俺が貰ったんだから」
「……別に、いい。それはいらない。」
「あれ、そう?」
何を考えているのか分からない天音を見ながら、琴はまた首を傾げた。「意味わかんないよ光徳」思った事を口にすると、天音は何も言わず琴の隣を通り過ぎて行った。うーん。ますます分かんない。
「…ま、いっか。」
光徳が意味わかんないのは今に始まった事じゃないし。なんて。
手の中にあるカップケ-キを持ち直し、琴はまた足を踏み出した。
"俺が、食べてあげようか"
誰が?何を?