名作の語りべ芙美のブログに

お越しくださいましてありがとうございます

「伊勢物語」その七『逢わで寝る夜』(最終回)を

YouTube にアップしておりますので

下のサムネイル画像をタップしてお聞きくださいませ

今後ともどうぞよろしくお願いいたします

 

 

スタンドエフエムにも朗読をアップしております

そちらものぞいていただけると嬉しく思います

 

スタンドエフエム

 


 


(画像はネットよりお借りしました)
 
 

昔、 男ありけり

あはじとも言はざりける女の

さすが なりけるが もとに言ひやりける 

 

『秋の野に

笹分けし朝の袖よりも

あはで寝る夜ぞ

ひちまさりける』

 

色好み なる女、返し

 

『見る目なき我が身をうらと知らねばや

離れなで海人の足たゆく来る』

 

 

【現代語訳】

昔、男がいた

逢おうとも、逢うまいともはっきりいわなかったが

いざとなるとやはり逢おうとしなかった女のところに

歌を詠んで贈った

 

『秋の野で露いっぱいの笹を分け

あなたに逢って帰った朝の袖よりも

あなたに逢わないで一人寝る夜の方が

悲しみの涙でぐっしょりと余計濡れました』

 

色好みな女が、返しの歌をよかこした

 

「逢うこともしない私の身を

無情なものと知らないからかしら 

離れもせず疲れた足を引きずって

あなたはたびたびおいでなさることですね」

 

「伊勢物語」で

【色好みな女】として登場するこの人は誰?

 

古今和歌集を紐解いていたら大発見‼️

同じページにこの二人の歌が 

並んで登場しています

 

 

業平 622番

小町 623番
 

「色好みな女」は小野小町でした

 

今回で伊勢物語は最終回となります

お付き合いいただきまして

ありがとうございました

 

次回は

小町の歌を見つけたご縁を大切に

この「古今和歌集」を予定しております

 

「古今和歌集」は

我が国最初の【勅撰和歌集】です

 

こちらは 全11巻からなり歌の数は702首です

その中に業平の歌は30首

小町の歌は18首入っています

 

「古今和歌集」に関する本は色々ありますが

私が愛読しているのは 

本居宣長(1730~1801)の「古今集遠鏡」です

宣長は江戸時代の国学者であり医師です

 

彼の著書を選んだ大きな理由は

江戸時代の俗語で和歌を訳しているのが

とてもユニークで親しみやすいからです

時にはクスリと笑ってしまうことも

 

例えば、この小町の返歌は

 

『アノオヒトハ

イチヤモカカサズニ

足ノダルイニミエル

トテモ逢ワレ八セヌノニサ』

 

こんな感じです

 

でも日頃カタカナにあまり接していないので
このカタカナの読み書きは
時間がかかりすぎてとても大変です

 

 

古今和歌集の中の

小町の18首の歌を前にして

今、とてもわくわくしております

 


小町の名前の表記はなぜか四種です(歌番号)

1. こまち 656番   797番

2. をののこまち 1104番

3. 小町   822番

4. 小野小町  1031  番 他

 

参考文献 平凡社「古今集遠鏡2 本居宣長」

 

 

 

 
 

在りし日のピカソ

 
 
お顔とピッタリサイズ❗
ダイニングチェアの背もたれから顔を覗かせて
 
 

今朝、庭の朝顔が一輪

雨戸を開けたらパッと目に飛び込んできました

きっと ピカソ朝顔ね
朝日は背中に当たっているというのに
私の方を向いています
 
 
ミルキーウェイという名前の朝顔です

初咲です

寒い間はお部屋の中で
ローズマリーとぬくぬくとしておりました