名作の語りべ芙美のブログに

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「伊勢物語」その五『竜田川』を

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スタンドエフエムにも朗読をアップしております

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スタンドエフエム

 
 
【原文】
昔、男、親王たちの逍遙し給ふところにまうでて
竜田川のほとりにて
 
ちはやぶる神代も聞かず竜田川
からくれないに
水くくるとは
 
【現代語訳】
昔、男が
親王たちが遊覧していらっしゃるところに参上して
竜田川のほとりで次のような歌をよんだ
不思議なことが多かった神様の時代にも
こんなことがあったとは聞いたことがありません
竜田川の水面を紅色にくくり染めするなどとは
 
 
この「ちはやふる」の一首は
在原業平の作として百人一首にも選ばれ
かるたにもなって人々によく知られていますが
「古今和歌集」によれば実はこの歌は
二条の后の命令によって
竜田川に紅葉が流れている屏風の絵を見て
詠まれたものなのです 
 
 
「水くくる」というのは分かりにくい表現ですが
「くくる」は繰り染めにすること
布を折りたたみ、糸で縛って染料に浸すと
糸の部分だけが染め残って文様になる
それが括り染めです
水面に散り敷いた紅葉の間から青い水面が覗いている
それを染め残った部分に見立てて
この水面全体がくくり染めされたのだと
作者は大胆に言うのです。
動きのない屏風の絵を見て詠んだからこそ
可能な発想だったとも言えるでしょう
 
 
参考文献 和泉書院「絵で読む伊勢物語」
 
 
 
 
在りし日のピカソ
 
 
お気に入りのハリネズミくんと