名作の語りべ芙美のブログに

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「紫式部日記」その七を

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今後ともどうぞよろしくお願いいたします

 

 

スタンドエフエムにも朗読をアップしております

そちらものぞいていただけると嬉しく思います

 

スタンドエフエム

 

 
赤染衛門

『丹波の守の北の方をば 

宮、殿などのわたりには

【匡衛衛門まさひらえもん】とぞいひはべる

ことにやむごとなきほどならねど

真にゆえゆえしく歌詠みとて

よろずのことにつけて詠み散らさねど

聞こえたる限りは 儚きをりふしのことも

それこそ恥ずかしき口つきにはべれ

ややもせば腰離れぬばかり折れかがりたる歌を詠み出で

えもいはぬよしばみごとしても

われかしこに思ひたる人

にくくも愛ほしくも覚えはべるわざなり』

 

 

和歌の第3句が腰句

その第3句と第4句の続きが

悪い歌を【腰折れ句】という

(離れてしまいそうな腰おれかかった歌)

 

 

現代文

『丹波の守の北の方を中宮様や殿などのあたりでは

匡衛衛門(まさひらえもん)と言っています

歌は格別に優れているほどではありませんが

実に由緒ありげで

歌人だからと言って

何事につけても歌を詠み散らすことはしませんが

世に知られている歌はみな

ちょっとした折りの歌でも

それこそこちらが恥ずかしくなるような詠みぶりです

それにつけてもどうかすると

上の句と下の句が離れてしまいそうな

腰折れがかった歌を詠み出して

何とも言えぬ由緒ありげなことをしてまでも

自分こそ上手な歌詠みだと得意になっている人は

憎らしくもまた気の毒にも思われるというものです』

 

 
百人一首59番
 

『あなたがおいでにならないことが分かっていたならば

やきもきせずに寝てしまいましたのに 

あなたを待って西山に傾いた月を

見る羽目になってしまいましたわ』

     

この歌は藤原道隆を思う姉妹の代わりに

赤染衛門が詠んだ歌だといわれています

月が西へ傾くまでの時間の長さが

寝ずに待っていた姿を感じさせる歌になっています 

相手を強く責めることもなく

月が傾く情景を詠むことによって

穏やかな表現になっています

 

平安時代の歴史物語「栄花物語」の作者とされています

藤原道長の妻倫子と

その娘上東門院彰子に仕えた良妻賢母型で

「今昔物語集」などでは次のように記されています

 

『息子の大江挙周が重病で倒れた時は

自分の寿命を縮めても良いから

我が子の病が治るように

住吉神社に参拝して歌を詠んだ』と

 

 

ひ孫は百人一首73番を作った大江匡房

 

 
ー参考文献ー
明治書院 「和歌文学大系 (20)」
花鳥社 「紫式部日記」 
 
画像はネットでお借りしました
 
 
 
ダイニングテーブルの横で少しウトウト
お母さんの手編みのベストを着せかけています
 
寒くないように❤️