有機農業研究会から「土と健康(8.9月号)」が届きました。

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今、世界中で「GMOフリーゾーン」の運動が広がっています。

このフリーゾーンとは遺伝子組み換え作物の栽培を拒否する地域のことです。

ヨーロッパを発祥とした運動ですが、多くのGMO作物に反対する人たちが取り組みを開始し、世界中に拡大し多国籍企業(モンサント社など)を追い詰めるのに大きな役割を果たしています。

ドイツ、フランス、ブルガリアなどヨーロッパ9か国がGM作物の栽培禁止を決めています。ギリシャ、ポーランド、オーストラリア、ハンガリー、クロアチアでは全地方政府がGMOフリーゾーンを宣言しています。

スイスでは国民投票でGM作物、食品の禁止を打ち出しています。米国ではカリフォルニア州、ワシントン州、ハワイの各島郡政府、カナダではバンクーバー島、ユーコン、テリトリー、ネルソン市がGMOフリーを宣言しています。

韓国、台湾もGMOフリー国家です。中国でも黒竜江省がGM作物栽培禁止を決めました。

 

日本でも2005年に滋賀県高島市でGMOフリーゾーン運動がスタートしました。

しかし、日本は多国籍企業の遺伝子組み換え作物の栽培を許可しています。

国が許可しているため、都道府県単位で禁止することができません。

そのため禁止条例ではなく各自治体で規制条例を制定するしかありません。

 

なぜ遺伝子組み換え作物が問題なのか?

最大の問題が、農薬使用量の増大です。除草剤で枯れない雑草が拡大し、殺虫剤で死なない害虫がはびこり、農薬使用量が増え続け、人々の健康を脅かしています。

特に問題になっているのが除草剤グリホサート(商品名ラウンドアップ)

2015年WHO(世界保健機関)のIARC(国際がん研究機関)がグリホサートを発がん物質と正式に認めました。また、強い神経毒を持つ環境ホルモンとしてリストアップされています。

 

日本政府は経済を優先するため一貫して農薬の残留基準を緩和し、厚労省は今年の7月グリホサートの残留基準緩和案を示しました。

2012年の食品残留放射能新基準値と同様、経済のためなら国民の健康は犠牲にするこの政府の体質に嫌気がさします。

 

モンサント社が新たに開発した殺虫性RNA干渉トウモロコシをアメリカが承認しました。

害虫がトウモロコシを食べると体内にRNAが侵入し、害虫の遺伝子の発現を妨げ死に至らせるというものです。

さらにモンサント社はAIシステム会社と共同研究でゲノム編集,RNA干渉とAIシステムを組み合わせ新たな作物や農薬の開発をしています。

「CRISPR/Cas9」とい仕組みを開発し遺伝子の働きを止めること(ノックアウト)が簡単にできるようになりました。

 

遺伝子の複雑さ、生命活動の複雑さ、奥行きのをもたらしているのがDNAよりはるかに複雑なシステムを持つRNAです。

 

人類が遺伝子のバランスを破壊し、生命の神秘に土足で踏み込んでよいのでしょうか?

 

いま、また一つネオニコチノイド系農薬と同様の神経毒性を持つ農薬「スルホキサフロル」が日本で登録されようとしています。

この案件に対し、異例の多さのパブリックコメントが寄せられました。

 

この本から改めて人類が向かってはいけない恐怖の世界に進んでいると実感しました。