70年代のアイドルソングのギンギン♪エレキギター | MAGOBEi THE9th【まごきゅう】~音楽クリエイター

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 オリジナルソングや製作過程の紹介




先日、テレビ番組のキャンディーズの特集の中で

名曲「春一番」のイントロのエレキギターのフレーズについて

ギタリストのマーティ・フリードマン氏が所感を述べられていたが

その中で、特に興味深い部分が2か所あった。

まずは、「アメリカのポップスでは歪んだ音のギターを使うのはNGで

アメリカ人からしたら衝撃的」


そしてもう一つは、「このフレーズ、どこから見ても日本的じゃないですか」

である。


1つ目について思うのは、

実は、我が国の70年代のアイドルソング(というかアイドル歌謡)では

ギンギンのエレキギターのフレーズが結構使われている。

ギンギンといっても、現在ほど歪みが強くなく薄味だ。

例えば、山本リンダさん「 どうにもとまらない」1972年リリースや

「春一番」を作曲された穂口雄右氏が書かれた

くらもと恵子さん「輝きの中から」1973年リリース、

石井まゆみさん「甘い暴走」1974年リリースなどが

「春一番」に近い路線の楽曲といえよう。

そして、自分もギターを弾く者の端くれとして強く感じるのは

この70年代のアイドル歌謡のギンギンのエレキギターフレーズの

根底にあるのは恐らくは、


・・・ビートルズ「Let It Be」の間奏のギターソロ

ではないだろうか、ということ。


で、2つ目について、

ビートルズなどのロック音楽に憧れた、当時の我が国の

ギタリストが魂を込めて弾いたロックっぽいフレーズが

欧米人から観ると日本的に聴こえてしまうということだが、

正直、自分もそこまで日本風に聴こえているとは思っていなかったが

それは、我が国独自のポピュラーミュージックの発展にとっては

大変素晴らしいことだと感じる。


よく、作詞家の松本隆さんがテレビや雑誌のインタビューで

“現在のJポップの楽曲は洋楽を真似たビートに歌詞が乗っているだけ”

と述べられているが、

70年代から90年代にかけて学生時代を過ごしてきた自分も

確かに昔の楽曲の方がオリジナリティーも質も高かったと感じる一方で

最近の楽曲は、奇をてらったように感じられるものが多い印象・・・


ともあれ、アイドルソングにギンギンのエレキギターを取り入れるという

我が国のこの習慣がなければ、「プレイバックPart2」「少女A」も延いては、

最近のメタルやオルタナティヴ的なアイドル楽曲も生まれなかったことだろう・・・