その日

犬を連れず一人で山に入った。


初冬の秋枯れした木々は葉を落とし、

枝が裸になって寒さがより身にしみるような気がする。


銃を背負い、広く開けた尾根筋を一人歩き続けた。

少し汗ばんだ体を休めようと立ち止まった時だった。


同じ尾根を黒い大きな何かがこちらに向かって

歩いてくる。


『何だ!?』


それは、大きな猪だった。


ヤツはコチラに気が付いているのか?

同じ尾根をこちらに向かって、

ゆっくりと、しかし確実にこちらに向かって歩いてくる。


身じろぎもせず、ヤツを見つめる。

ヤツが近づくにつれ、ヤツの大きさが分かる。

『コイツ・・・・。でっ・・・デカイぞ』


背負った銃を下ろし、握り締める。


ヤツまであと20m。


15m・・・。


10m・・・・・・・。



『弾だ、弾を込めろ!』 心が叫ぶ。



ヤツは間違いなくこちらに気が付いている。



5m・・・・・・。




ヤツは立ち止まりコチラを見ている。


余裕すら感じるほど堂々とコチラを見据え、


それから、ゆっくりと右手に逸れて脇を通り過ぎようとしている。








『銃だ!弾を込めろ!』 心が叫ぶ。








刹那








銃を四番バッターのごとく振りかぶって









猪をぶん殴ろう







としている。








心が叫ぶ。


『Oh!No~~~! 弾だ!!早く弾を込めてヤツに向けてぶっ放せ!!』








しかし、

猪は銃を振り下ろしてもギリギリ届かない所を、悠々と通り過ぎていく。





『なんで弾を込めない!?何で撃たないんだ!』






なんで、鉄砲でブチまわすん?













って夢を見んさったらしいです。












ZQさんが。







「夢の中じゃ、大概ええことにならん」


言うてようちゃった。




ZQさんは、いっつもええ夢見ようてじゃ。







へっぽこ猟師のMRさんの夢はこうじゃ。



MRさんは、一人で池を回りょった。


行く池行く池、全部にアオクビがうじゃうじゃ居る。


適当に撃っても、いっぺんに2~3羽落ちそうな位じゃ。


もう池の水面が見えんくらい、ほんまにうじゃうじゃ居る。


じゃが、MRさんは鉄砲に弾を込めん。


なんでか?


MRさん、スラッグしか持っとらんかったんじゃ。


スラッグしか持ってないのに、池を回るところからして、


アンポンタンな猟師なんじゃ。


なのに、つぎつぎと池を回るんじゃ。







MRさん・・・・・。





夢の中でもズッコケ猟師しょうらんでもええよ。

MRさんのウソ800 + α
もちーたーええ夢見んさいや。


ほんま。







じゃが、



たいちょーさんは、


剥ぎょーる夢


でも見ようてんじゃろうね。


ええねー。





MRさんは「剥く夢」は見たこと無いらしいよ。

(夢の中でも獲れんのんじゃけん)