新外国人活躍期待度⑥ ソフトバンク マット・ムーア投手 | 野球、特に千葉ロッテを中心に、ぼそぼそ語ります。

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20年来の千葉ロッテファンです。思うことを、何となくオープンに共有してみたいと思って始めたブログです。色々見てるので、たまに他球団や他のスポーツネタが飛び出します。

ロッテが良い成績を残すためにはなんとしても超えなければならない壁、ソフトバンク。

その新外国人ということで、マット・ムーア投手の成績を見てみます。

 

外国人が活躍するかというのは、実力だけでなく日本野球への適性や性格など、いろいろな要素が関与します。

なので予測は難しいのですが、データを覗いて活躍の可能性を検討してみましょう。

 

とりあえず、おおよそですがA、B、Cの3段階でランクを付けています。

 

A…野手なら3割30本、投手なら抑え・セットアッパー・先発の柱クラス

B…1年間、とりあえず1軍で活躍できるクラス

C…シーズン途中で1軍では見なくなるクラス

 

もちろん日本に来て能力そのものに変化があれば全く違う結果が出ることもあります。

 

データソースとして用いているのは大半がBaseball ReferenceFangraphです。

 

 

 

マット・ムーア(Matt Moore)

活躍期待度 B

(故障からの復帰と同時にホークス移籍する形で、回復度合いに未知数の部分が大きい。力が戻らない場合はCの可能性。

 

  • サマリー
2012-2013年と2016年はMLBの中でも高レベルな先発投手であったが、近年は力を大きく落としている
・持ち球は速球、カット、チェンジアップ、カーブ。成績を見ても、オーソドックスな大崩れしないまとまった先発左腕という印象。
2015年にトミー・ジョン手術歴あり。
・2019年シーズンは4月に2試合投げただけで、半月板損傷のため残りを全休している。どこまで回復しているのか不明。
・故障から回復していれば、エース級ではないがローテに入る力はあると考える。

・奪三振能力は普通。一方でフライ多めの投手であり、被本塁打が多い。パでは最も本塁打が出やすい福岡ドームとの相性はあまり良くなく、一発病と言われる懸念あり。

全体的に成績下降傾向であり、さらに故障が加わったところでの獲得である。タイミングとしては良くはない。不確定要素が多い、かなりチャレンジングな補強だと言える。

 

  • 前年までの成績

 

2019年は前述の通り2試合のみの登板ですので、2018年の成績を見てみましょう。

 

2018年成績

39試合(12先発)102イニング 防御率6.79

86奪三振 19被本塁打 41四球

9イニングあたりの奪三振 7.59

9イニングあたりの四球 3.62

9イニングあたりの被本塁打 1.68

BABIP.341 FIP5.25 SIERA4.63

 

2018年は先発とリリーフ双方で起用され、上記のような成績になっています。

この年は苦しんでいる印象で、先発で33試合に登板して13勝を挙げた2016年から、徐々に成績が下がっていることも気になるところです。

 

中身を見ると、少しホームランを打たれすぎですね。

もともと比較的フライが多い投手で、加えてこの年はハードヒット率(下で触れます)が高いですから、当然被本塁打は増えます。

さらに福岡はパークファクター的に本塁打が出やすい球場であり、日本でも被本塁打は多い可能性が高いと考えます。

一方で無駄な四球を出すタイプではなく、ある程度まとまった投球が期待できる投手でしょう。

 

また、2018年はBABIPが.341(およそ.300が平均。これより高いと運が悪く、その年の成績よりも本当は上の力を持っていることが示唆される)と高めであるため、FIPやSIERA(雑に言うと運の要素を排除した防御率)は実際の防御率より低く出ています。

その一方で2018年は被ハードヒット率(強烈な打球を飛ばされる率)が47.5%とかなり高い水準になっています。

もともと、メジャーの先発として活躍していた2012年から2016年は30%弱の水準で推移しています。

すなわち、投げている球の質が低下していることが示唆され、BABIPの高さは運もあるでしょうが、実力の低下も関与していると考えます。

 

また、経時的に見ると、FIPは2016年4.17、2017年4.75、2018年5.25と明確な悪化傾向を示しています。

その他、被本塁打率、四球率、奪三振率なども全ての指標で悪化傾向です。

 

総合的に見て、ここ3年で力がかなり落ちてきていることは間違いありません。

とはいえ全体的に「まとまった技術のある投手」という印象で、エースになるのは無理でしょうが、経験もありますしローテ4番手で5-6回投げてくれればOK、といった起用は可能でしょう。

ただしこれには前提があり、すなわち、右膝がしっかり癒えており、2018年レベルの力は最低限出してもらう必要があります。

 

  • 故障歴について

2015年のトミー・ジョン手術に加えて、2019年に半月板の縫合術を受けています。

トミー・ジョンは随分と有名になりましたが、肘の靱帯を取り替える手術ですね。

これに関しては手術の翌年に内容の良い投球をしており、復帰に成功していると言っていいでしょう。

 

2019年は右膝の半月板ですが、これは膝にかかる体重を分散させたり、クッションとなって関節の構造を守っている組織です。

半月板は血流が乏しくなかなか治癒しないことが知られており、縫い合わせてももう一度ちぎれる(再断裂)ことがあります。

すなわちこの選手はこのリスクを常に抱えています。

しかも競技復帰までの時間(およそ半年)を考えると、おそらく本格的に練習ができるのは今年の冬以降です。

その数ヶ月でシーズンまでに元の姿に戻れるのか?という点もポイントですね。

 

2018年の成績とこの状況ではメジャー契約はまず無理でしょう。

そういった事情もあっての来日でしょうね。

 

以上をもう一度まとめますと、

 

「もともとはMLBでも十分以上に通用した、技術と安定感を兼ね備えた好投手だが、近年は落ち目。2018年レベルまで力が戻るとしてもエース格になるのは難しいが、元気なら先発ローテに入る力はある。しかし大きな故障歴があり、特に膝の故障からは完全復活できるのか未知数な部分が大きい。福岡ドームとの相性も懸念材料」

 

が総評ということになります。

 

体が元気ならB、残念ながらそうでない可能性もありますし、十分な回復が得られない可能性もありますのでその場合Cです。

これについては確認する手段はありませんので、不明とさせていただきます。

もちろん獲得するからには故障の具合は確認しているでしょうが、それであっても結構な賭けだな、とは思いますね。

 

千賀と高橋礼に続く先発としてしっかり回れるでしょうか。