2018年放送のTBS日曜劇場『ブラックペアン』。退職や母の介護で忙しかった年だったせいか、話題になったのは知ってましたが、リアルタイムで観ていませんでした。

 

 

明日から6年ぶりに続編が始まるというので気になり、Netflixで一気見をしました。

 

 

 

 

 

 

主人公の医師、渡海征司郎(とかい せいしろう)を演じる二宮和也さんがとてもよかった!

 

 

孤高の天才外科医、渡海は人に媚びず、常に上から目線で超マイペース。他の外科医の失敗をカバーしてやる代わりに多額の金銭を要求するも、超絶早業で難しい手術を絶対に成功させて患者を助ける「オペ室の悪魔」と言われている。

 

 

「私、失敗しないので」の大門未知子とブラックジャックを彷彿させる人物で、絡むのがめんどくさい変わり者の嫌なヤツ。これを、見た目ニノ(?)が全然別人になりきってるのがスゴイ!

 

 

渡海は、東城大学医学部付属病院で佐伯教授(内野聖陽)率いる「佐伯外科」に所属し、佐伯教授の指示には従っていたけれど、実は非常に深い恨みをもって佐伯教授に近づいていた。

 

 

渡海の父親も優秀な外科医で、かつては佐伯の指導医だったが、心臓手術をした患者の心臓部にペアン(出血を止める鋏のような器具)が残されていて、そのミスの責任を負い辞職に追い込まれ、その後亡くなっていた。

 

 

渡海と佐伯の確執は、物語が進むにつれて徐々に明らかになっていくのだけど、最初のうちは渡海が何を考えているのか、よく分からない。

 

 

また、医療ものにありがちな権力争いが絡んで、人の命がかかっているのに論文のために手術の成功だけを優先するとか、いろいろな問題が関わってきて、毎回ハラハラさせられる。

 

 

物語を回していくのは、研修医の世良雅志(竹内涼真)と新米看護師の花房美和(葵わかな)。

 

 

竹内涼真さんは優しい役が多い印象だけど、今春のテレ朝ドラマ『Believe 君にかける橋』でクセのある刑事、黒木を演じて凄みを感じました。『ブラックペアン2』では研修医から一人前の医師になっているとのことで、演技にもさらに深みが出るのではと期待大です。

 

 

また渡海を常に陰で支える、これまた無愛想でクセのある看護師、猫田をあの朝ドラ『ブギウギ』でメチャクチャ元気で明るいヒロイン、福来スズ子を演じた趣里さん!彼女もまた全然別人で驚きましたが、この濃い目メイクでキツイ猫田役、結構合ってる感じがします。

 

 

この猫田がなぜ渡海の味方で常に支えているのか、ドラマでは最後までよく分かりませんでした。小説なら出てくるのかな?

 

 

とにかく毎回、東城大学佐伯教授と帝華大西崎教授(市川猿之助)の確執、人間の手によるオペ技術と誰でも高度なオペが可能になるという新型医療機器とのせめぎ合いがあって引き込まれます。見ごたえありました!

 

 

最終話では、渡海が父親の無実を晴らし真実を確かめるために、医療過誤があったとされる患者を探し、心臓に刺さったペアンを取り出そうとするのですが・・・さて、結果はいかに?

 

 

というところまで一気に語られますが、なかなかに深いいヒューマンドラマでした。

 

 

この渡海という人物、すごく嫌われキャラだけど必ず患者を助けるダークヒーロー。最後の最後は真実を知って、静かに大学病院を去っていくという後引くキャラです。

 

 

明日から続編、「シーズン2」と銘打っているので渡海のその後が観られるのかと思ったら! ニノが演じるのは「天城幸彦」という別の人物なんだとガーンガーン

 

 

なんだー、シーズン1の続きじゃないのか。。。まあ、原作が前回のドラマで完結しちゃってるから仕方ないか。

 

 

ただ、不思議なことに他のメンバーたちはオリジナルのキャラで出てくるそうなので、また別バージョンの物語として楽しめればいいかな、と思います。

 

 

日本の医療ドラマはなかなかハズレがなくて面白いですね。海外ドラマの医療ものも好きなのですが、すぐに医者と看護師、医者同士がイチャイチャくっついたり離れたり、うっとうしいです。

 

 

日本のほうが、医療に特化して命と真剣に向き合う内容が多くていいと思います。また、日曜のTBSドラマ(昔の東芝日曜劇場)自体もハズレがなく、いい作品が多いので楽しみです♪

 

 

 

 

 

 

 

この先、自分の覚書のため、シーズン1のラストをば書いておきます。

 

 

 

渡海が飯沼の体内に残されたペアンを抜いたとたん、大量出血を引き起こしてしまう。渡海が初めて失敗した瞬間だった。焦る渡海。その時、佐伯が手術室に入ってきて代わりに出血を止め、渡海にすべてを語る。

 

 

飯沼の体内にペアンを残したのは確かに佐伯だったが、多数の死傷者が出た事故の緊急オペで、心臓からの止血には仕方のない応急処置だった。飯沼は無事に退院し、佐伯はアフリカ研修に出てしまうが、その後飯沼の容体が悪化。再度、東城大学病院に搬送され、渡海の父が執刀する。

 

 

体内に残されたペアンを見て状況を察した渡海の父は、ペアンをそのまま残して縫合するが、X線写真を見た他の医師から糾弾され、医療界を後にする。数年後、父親は病で亡くなり、医師になっていた渡海は父が医療過誤をするはずがないと信じ、佐伯のミスを被ったのだと考えた。

 

 

だが、実際には帰国した佐伯の元に、渡海の父親からの手紙が送られていた。事実を知ったが、自分が責任を負って引退する、君は未来の医療のために人を救ってくれと。父の思いを知って涙する渡海。

 

 

佐伯は再び、飯沼の体内に自分のブラックペアンを入れて手術を終える。ブラックペアンならX線にも映らず、死後火葬されれば一緒に燃えてなくなるという。

 

 

その後、自身も重い心臓病を患っていた佐伯は倒れてしまう。いったんは心臓が止まってしまうが、渡海は彼に復讐するために技術を磨き習得した佐伯式で教授の命を助け、その後ひとり静かに大学を去っていくのであった。(完)