以前、翻訳者仲間のブロ友さんが映画館で観てとてもよかったと言っていた『ナイアド ~その決意は海を越える~』、先月Netflixで観たのですが、アカデミー賞発表も終わったことだし、そろそろ書いておきたいと思います。

 

 

2023年アメリカ製作 原題 "Nyad"

 

 

60歳を過ぎて、若き日に抱いた夢と再び向き合い、キューバからフロリダまで、160キロに及ぶ危険な外洋を泳いで渡る過酷な冒険に挑んだ実在の女性アスリート、ダイアナ・ナイアドの4年に及ぶ波乱の旅路を、彼女の挑戦を支えた親友にしてコーチのボニー・ストールとの絆とともに描き出す。(allcinema)

 

 

私は水中ウォーキングは好きなんですが、息つぎが苦手で25メートル泳ぐともう苦しいという水泳苦手人間。こういうスイマーの映像を観てると、観るだけで苦しくなってきます汗

 

 

1キロ泳げるのだってすごい!って思うのに、160キロって何!???無気力 

 

 

さらに、60歳過ぎての挑戦ですよ!!! 信じられない。まさに無謀な「アラカンからのチャレンジ」無気力無気力無気力

 

 

160キロという距離もすごいのですが、何といってもフロリダ海峡は波が荒く、潮が速いので泳ぐにはかなりの難所。しかも!サメ🦈や毒クラゲが生息しているのです!

 

 

それをサメよけのケージなしで泳ぐというのだからさらに無謀と思えますが、以前成功した人が船に牽引されるケージに囲まれて泳いだことで「楽をして成功したのではないか」と批判されたからなのです。

 

 

ケージが船に牽引されたって160キロ自分で泳いだんだから偉業だと思うのですが、ナイアドはすべて自力で泳ぎ切ろうと決意します。

 

 

とはいえ、何もしなかったら食われちゃうから、サメが嫌がる微弱電流を流しての挑戦です。技術者たちが別の船でずっとナイアドに付き添い、その装置を操作します。

 

 

他にも心身ともに彼女を支える親友のボニー、付き添いのボートで潮見を見張るナビゲーターもいるし、チーム・ナイアドが彼女の偉業をサポートします。

 

 

しかし、毎年潮のいい(マシな)時期に挑戦するも4回連続失敗してしまいます。さすがにスポンサーも手を引くし、周りにも止められます。が、彼女もいよいよ64歳となり「これで最後にするからやらせて!」と周りを説得してまた海に出ます。

 

 

その5回目での大成功ビックリマーク

 

 

恐ろしいほどの精神力で乗り切りました。記録は52時間54分18秒だったそうです。

 

 

その間、食事も排泄も海の中。伴走する船から食べ物をもらう時も、人の手に触れないようにしないといけないし、途中から精神状態もおかしくなっていきます。人間としての限界を超えるところまでいって、初めて見える不思議な世界・・・。

 

 

映像では、そんな光景も見せながらリアルに苦しむナイアドの姿を映し出していきます。

 

 

これを演じたアネット・ベニング、本当に迫真の演技でした。そして、盟友ボニーを名優ジョディー・フォスターが演じます。2人ともノーメイクで顔がシワだらけ。すっかり老けた感じで驚きましたが、自然体の演技で物語に入り込めました。

 

 

シナリオも字幕もよくて、最後まで観たところで字幕翻訳者名が出てびっくり!というのも、翻訳者が私の師匠だったこともありますが、ネトフリはオリジナル作品しかクレジットが出ないからです。

 

 

友人は劇場で観たと言っていたのに、なぜ?と思って調べたら、この映画ネトフリの製作でした。でも、優れた映画でアカデミー賞を狙えるので、劇場での限定公開をしたのでしょう。

 

 

アカデミー賞にノミネートされるのは「授賞式の前年1月1日〜12月31日の間にロサンゼルスの映画館で1日3回、1週間以上上映された映画」だけと決まっています。

 

 

配信作品では受賞ができないのです。そのため、最近はサブスク・プラットフォームのオリジナル作品は、いったん映画館上映をするのだと思います。

 

 

実際、この作品は主役2人が主演女優賞、助演女優賞にノミネートされました。惜しくも受賞は逃しましたが、受賞に値する名演技だったと思います。

 

 

それにしても、本物のダイアナ・ナイアドさん。オリンピックでの金メダルと違って、それを目指しても特にもらえるご褒美はないのに、純粋に自分への挑戦で5回も人間の限界に挑んだのだから素晴らしい!

 

 

「アラカンからのチャレンジ」といっても、私のチャレンジとはケタが違いますが、へこたれない勇気をもらえました。

 

 

彼女のことを思ったら、ちょっとやそっとのことで諦めてはいかん!成功する人は諦めない人だ、と頑張れそうです照れ

 

 

2013年、彼女が成功した時の記事がこちら(ナショジオ)⤵

 

 

原作本も出ています。映画でも描かれていた幼少期のコーチからの性的虐待や同性愛者としての苦悩なども赤裸々に書かれているようです。

 

 

 

 

ついでに…(ちゃっかり)笑ううさぎ