映画『AIR/エア』:2023年製作/112分/アメリカ
『アルゴ』のベン・アフレックが盟友マット・デイモンを主演に迎えてメガホンをとり、ナイキの伝説的バスケットシューズ「エア・ジョーダン」の誕生秘話を映画化。(写真とも「映画.com」より)
前に予告編や紹介を観て、絶対観に行きたいと思ってたのですが、仕事をしてるうちに上映が終わってました・・・
何しろ、私の大好きなマット・デイモンが出てるし、実話だし、人気のなかったNIKEがどうやって人気ブランドになったか、なんて面白そう! と思ったのです。
で、実際面白かったのですが・・・マット・デイモンのあまりの変わりように「え?」 と、お口あんぐり。
あの『ボーン・アイデンティティー』シリーズの殺し屋が!『インビクタス/負けざる者たち』のラグビー選手が!
お腹が出た運動嫌いのおっさんになってました(いや、役作りだから・・・)
この おっさん、マット・デイモン演じるソニー・ヴァッカロは、ナイキ本社のバスケ部門を立て直すためにCEOのフィル(ベン・アフレック)に雇われた人です。
驚いたのは、当時(1984年)のバスケットシューズの国内シェア。
コンバースが圧倒的な54%、アディダスが29%、ナイキは17%・・・と、ナイキが今では考えられないような風前の灯火状態。
会社上層部は、バスケ部門からの撤退も考えていたのです。そこにソニーが目をつけた選手が、まだNBAでプレーをしたこともなかった大学生のマイケル・ジョーダンでした。
コンバースもアディダスも目をつけていたのですが、ナイキはジョギングシューズは売れていたものの、バスケシューズでの人気は低迷。マイケル・ジョーダンもナイキだけは履きたくないと表明していたほどです。
もう、やる前からの負け戦のような雰囲気。
会ってももらえないところから、どうやって交渉までもっていったか、またどうやってナイキを履いてもらえるように交渉したか、が見せどころでした。
どれだけ周りに反対されても、ムリだと言われても、信じてくじけなかったソニー。まるでサスペンスのように手に汗握る展開(結果を知っててもドキドキする~~)ですが、名優マット・デイモンは淡々と演じていきます。
シブいです。雰囲気も、音楽も1984年。シンディ・ローパーの "Time After Time" や、エディー・マーフィー主演映画 "ビバリーヒルズ・コップ" のテーマ曲などが流れ、懐かしいったらありゃしない。あの時代にナイキは社運を賭けた戦いをしていたのか~(バブル前夜の私の青春時代じゃ♪)← いや、私は真面目に教員してましたよ。
ソニーの相談相手に黒人のハワードがいたことも功を奏しました。彼の言葉にヒントを得て、ソニーはある人物に会いに行きます。
その人が強かった!
ナイキ嫌いの本人を説得して交渉に引っ張り出してきたし、ナイキに決める時も契約書になかった条件として「シューズの売り上げの一部をジョーダンに支払う」という前代未聞の申し入れをして承諾させたのだから、かなりのやり手です!
"A shoe is just a shoe, until somebody steps into it. Then it has meaning."
「靴はただの靴だ。だが誰かが履いた時、その意味が生まれる」(字幕より)
とソニーの押しの一手。
字幕は短めで読みやすくてよかったです。英語短めだけど、訳すの難しそうでした。
社訓が面白くて、"It won't pretty."「ラクな仕事はない」とか、"Live off the land." 「あるもので賄え」とか、出てきた場面にドンピシャでした。
他にも "That's what they do."「人々の日常だ」, "This was a move."「手は尽くした」など、ちょっとひねっていてよかったなあ~。
あと、risk を「リスク」ではなく「賭け」としていましたが、これはソニーが賭け事が好きなことと掛けてるのでしょうね。
字幕は 林 大介さん。吹替はブロ友で翻訳大先輩の三浦直子さん。三浦さんの記事でAmazon Primeで配信してるのを知りました。吹替も聞きやすかったし、情報がたくさん入ってるのでわかりやすくてよかったです♪
自分がやった作品は字吹一緒に出すんだけど、今回はマット・デイモンの声も聞きたかったので、字幕・吹替で2回観ました!2回観ても面白かったですよ~♪
三浦直子さんのブログはこちらです(ご本人の許可を得ています)
まだ観てない方、おススメです!(でも、またスポーツなのにスポーツ場面が少ないものを観てしまった💦)