以前、ポルノ映画の話題(『初のポルノ映画…?』)でちょっと触れましたが、AI技術によってまるで本物のようなフェイク映像が作られているという話。

 

 

今日の午後、「ワイド!スクランブル」で大きく取り上げられていました。

 

 

世界的に予言がよく当たると有名な国際政治学者イアン・ブレマー氏が代表を務める米国の調査会社「ユーラシア・グループ」が、2023年世界の10大リスクを発表し、その中の第3位に人工知能やディープフェイクの脅威 がランクインされていたのです。

 

 

ディープフェイクとは何ぞや?

 

本来のディープフェイクとは、AI技術を応用し、動画の中の人の顔などの一部を入れ替える技術のことです。ですが、世間ではディープフェイクという言葉を偽動画、フェイク動画という意味で使用することが増えてきています。

 

番組で紹介されていたAIの研究開発会社「クリスタル・メソッド」のHPより(こちらの会社では介護現場など人のために役立つ映像を開発しているそうです)

 

 

 

 

そして今の技術ならスマホでも本人そっくりのフェイク画像を作ることが可能だと、いろいろなサイトで紹介されています。

 


これまでも顔や体のパーツなどを差し替える技術はありましたが、最近のものは表情や声などをAIが学び、本人が言ってないことを言わせたり、やってないことをやったように見せることができるのが特徴です。

 

 

実際にディープフェイクの技術を使って、上記クリスタル・メソッド社が取材協力し、解説者の増田ユリヤさんの写真と声を取り込んで、偽動画を作り、偽情報を流しましたが、かなり精巧にできていました。

 

 

以前、NHKが美空ひばりをAIでよみがえらせ、彼女の声で新曲を歌わせるというプロジェクトを実施して、往年のファンが涙するほど感動させていました。あれが2019年で3年前。

 

 

また、昨年ロシアがウクライナに侵攻後、3か月ほどしてゼレンスキー氏が「武器を捨てて抵抗をやめ、ロシアに降伏しよう」と国民に呼びかける動画が配信されました。これはもちろんロシア側によるフェイク動画でしたが、一瞬騙されそうになる映像でした(上記クリスタル・メソッド社のHPでも観られます)

 

 

これらは、まだよく見れば首と顔のつなぎ目が見えていたり、口の動きがやや不自然だったり、体や手の動きがぎこちなかったりと生身の人間とはちょっと違う雰囲気を醸し出しています。

 

 

が。AIは学習すればするほど本物に近づけるということで、あと5年もすれば本人と見分けがつかないくらい精巧なものになっていくだろうとのことでした。

 

 

こういう技術的な進歩のおかげで、以前は観られなかった素晴らしい映像が特に映画で観られるのはうれしいことなのですが(『アバター』『スターウォーズ』などのSFや『ハリポタ』『ファンタビ』など魔法世界では特に!)、悪用されるのは困りもの。

 

 

特に政治家や有名人の発言が民衆をあおるのに利用される現実。恐ろしいですねゲッソリ

 

 

でも、さすがに見破る技術も進歩していますビックリマーク 人間の瞳は複雑な構造と動きがあるので、フェイク画像のように一定の動きしかしないものを光の反射などから見破れるのだそうです。

 

 

 

 

でも、そうすると光の反射を学習するAIも登場したりして、技術はいたちごっこかもしれませんね絶望

 

 

イアン・ブレマー氏による今年の10大リスク予想は以下のとおりでした。

 

 

1.「ならず者国家ロシア」
ロシアは世界で最も危険な「ならず者国家」になり、世界全体に深刻な安全保障上の脅威をもたらす。

2.「権力が最大化された習近平国家主席」
去年、開催された共産党大会で習主席は建国の父とされる毛沢東以来の権力を掌握。

3.「テクノロジーの進歩による社会混乱」
AI=人工知能の技術的進歩は社会の信頼を損ない、ビジネスや市場を混乱させる。ポピュリストなどは政治的利益のためAIを武器化し、陰謀論や「フェイクニュース」を広める。

4.「インフレの衝撃波」
世界的な景気後退の主な要因となり、社会的不満と世界各地での政治的不安定にもつながる。

5.「追い込まれたイラン」
政権に抗議するデモが相次いでいる。政権崩壊の可能性は低いが、過去40年間のどの時点よりも高くなっている。

6.「エネルギー危機」
エネルギー価格の上昇は消費者と政府に負担をかける。

7.「阻害される世界の発展」
新型コロナウイルスの流行、ウクライナ侵攻、世界的なインフレなどが続き経済的、安全保障的、政治的な利益がさらに失われる。

8.「アメリカの分断」
アメリカは世界の先進国の中で最も政治的に偏向し、機能不全に陥っている国の1つで政治的暴力のリスクが続いている。

9.「デジタルネイティブ世代の台頭」
1990年代半ばから2010年代初めに生まれた若者を指す「Z世代」がアメリカやヨーロッパなどで新しい政治勢力になる。

10.「水不足」
水不足が世界的かつ体系的な課題となる。しかし、各国政府はこれを一時的な危機としてしか扱っていない。

 

 

(参考資料)

 

 

 

実際に日々物価は上がってるし、ならず者が隣近所にいて平和がいかにもろいものか思い知らされてちょっと絶望的な気分になりますが、これらはあくまでリスク予想。リスクや予想はまだ回避することができるので、今年1年希望を持ち続けながら生活できたら、と思います。