13日(日)のニュースに「えはてなマーク」と驚いて、またこの映画を観た方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。



とてもいい映画で以前2回観たのですが、細かいところを忘れていたのと当時はどこまでがフィクションなのか分かっていなかったので、昨日3回目をじっくり観なおしました。

 

 

日曜日のニュースは以下の通りです。

 

 

【ボビニー(仏)AFP時事】パリ郊外のシャルル・ドゴール空港で18年にわたって生活したイラン出身の男性メフラン・カリミ・ナセリさんが12日、空港ターミナルで死去した。空港当局者が明らかにした。自然死だったという。ナセリさんは、スティーブン・スピルバーグ監督の米映画「ターミナル」(2004年)で俳優トム・ハンクスさんが演じた主人公のモデルとなったことで知られる。


そう、映画
『ターミナル』。ちょっとネタバレしないと書けない記事なので、もしこれから観ようと思ってる方は観てから読んでくださいまし。

 

 

さすが名優トム・ハンクスの笑って泣ける、ヒューマンドラマ。実際にウクライナで戦争が起こっている今見直すとさらに心に響きます。Netflixで配信中。

 

 

 

 

それで、いきなりネタバレとなりますが・・・滝汗

 

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このニュースを聞いて、何を驚いたかって「あの人は無事に自分の国に帰ったんじゃなかったの?!」ということです。

 

 

以下、ちょっと映画の内容をおさらいしておきます。

 

 

舞台はNYのJFK空港。主人公ビクター・ナボルスキーが母国クラコウジア(架空の国)を出た直後にクーデターが起こり、政府が消滅。パスポートが無効状態となり、入国ビザが取り消されてしまう。

 

彼は「無国籍」の人としてターミナルに留め置かれる。実際には出口は目の前にあって、隙をついて逃げようと思えば逃げられるのに、ビクターは空港の警備局主任ディクソンに「ここで待て」と言われたので、真面目にひたすら待つ。

 

そのうち、クラコウジア語のものと同じガイドブックを買って、見比べながら英語の勉強を始め、たどたどしいながらも空港で働く人々と意思の疎通を始めていく。

 

彼は英語も分からないまま、どうしてもNY、しかもホテル「ラマダ・イン」に行きたかったのだが、それは、亡くなった父親との約束を果たすためだった。

 

ジャズのファンだった父親が集めたサイン入り写真で、1人だけサインをもらえていなかった人がいた。その1人ベニー・ゴルソンのサインをもらって、父親が大事にしていた缶の中に入れるという約束だった。

 

やがて、彼の祖国の内戦が終結。ビクターは国に帰れることになったが、アメリカに入国していないため父親との約束を果たせていなかった。

 

友人となったFAのアメリアがコネで「1日入国ビザ」を取ってくれたのにディクソンが署名をくれなかった。が、仲間たちに助けられて雪の中、街に出る。

 

タクシーでラマダ・インに行き、ベニー・ゴルソンの生演奏を聴き、ついに彼のサインをもらい、また空港に戻る。

 

 

というところで、映画は終わります。クリスマス時期のマンハッタンがとてもきれいで、ほのぼのするエンディング。

 

 

いかにも、映画だなーというスピルバーグ的ステキなラストでした。

 

 

空港の人々とのエピソードがどこまで本当か分かりませんが、彼が書いた日記が基になっていたとのことなので、実際に交流はあったのかもしれません。

 

 

でも、最後のベニー・ゴルソンのくだりは、ちょうど外に出られたのが彼の演奏の日で、行ったら演奏時間で、予約もないのに入れたとか、まあいろいろ都合がよすぎて、映画的脚色満載ですが、そこがスピルバーグ・ワールドでもあります。

 

 

実際、映画のモデル、ナセルさんがパリに行ったのは母親を探すためだったとあります。必要な書類がそろわなかったため、どの国にも入れなくなったそうで、難民でもないのでそのまま留め置かれたと。

 

 

実際には、1999年にフランス政府が難民用パスポートを交付してくれたそうです…が、本人はイギリスで生活したかったこともありこれを拒否。

 

 

その後、ドリームワークスが映画化の版権を取得。ナセル氏にはかなりの契約金が払われたのですが、それをフランスのホームレスのためのシェルターなどに使い果たし、また空港に戻って生活をしていたとのことです。

 

 

なんと、事実は映画よりも奇なり驚き

 

 

 

映画『ターミナル』(原題 "The Terminal")
2004年アメリカ製作

監督:スティーブン・スピルバーグ

日本語版製作:東北新社

字幕翻訳:戸田奈津子

吹替翻訳:田尾友美

 

 

最後に…初めて空港を出られたビクター(トム・ハンクス)はタクシーで空港に着いたアメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)を見かけます。

 

 

この雪が降りしきるシーン、2人は目と目を合わせて何も言わずに別れるのですが、これがとても印象的で美しい。

 

 

近頃の映画はセリフが多くて余計な説明が多いですが、ここは昔の映画みたいでとっても良かった♪

 

 

それにしても、どんな役でもこなしてしまうトム・ハンクス。今回はクラコウジア人(なんていないのに)になりきっててすごい!クラコウジア語はほとんどアドリブだそうです爆笑