このまま読むと「ぶかぶか」みたいですね笑  何のこっちゃって感じですが。。。

 

 

前回映画『エルヴィス』の記事を書きましたが、以前は「エルビス・プレスリー」という表記でした。最近名前の表記が昔と変わることがあって特に [v] の音を「ヴ」で表すことが増えたなあと思います。

 

 

[v] の音を翻訳するときに「ブ」と「ヴ」どちらにするか、マジで悩みます。

 

 

[v] の音も [b] の音も区別せずにカタカナにして使ってしまう日本人。海外に行って困ること必至です。特に通じないと有名なのが「バニラ」!

 

 

今度、アメリカに行ったら注文してくださいね。バニラ・アイス。一発でもらえたら、あなたの発音はバッチリですビックリマーク

 

 

 

 

そもそも「アイス」だけだと「氷」だから、ちゃんと「アイスクリーム」まで言いましょう。しかも「バニラ」って [b] の音で言ったら通じません。"vanilla" ですから。だいたい「バナナ」バナナ だと思われるらしいです。(バニラとバナナ、似てないのに不思議…)→ 似てないシリーズで言うと「コーヒー」と「コーラ」も間違えられやすい。

 

 

[v] の音は破擦音だから、上の歯で下唇の手前を軽くこすって出す音です。できない生徒、たくさんいました。できない方は鏡を見て練習するといいです。そしてアクセントは「ニ」にあります。だから敢えてカタカナで書くと「ヴァィラ」(ニを少しだけ強めに)

 

 

ちなみに私はちゃんとバニラ・アイスクリームをもらえましたよ!(えっへん)照れ

 

 

であるからして、生徒の発音にほとほと困った先生としては、”心情的に”  [v] は「ヴ」で統一してもらいたいんですよ。

 

 

「バニラ」で「バナナ」が出てくるくらいなら笑い話で済むからいいけど、地名を間違えたら正しい場所に行きつけないし、人の名前を間違えると失礼です。。。

 

 

例えば、カタカタで書くと「スティーブ・ジョブズ」さん。同じ「ブ」だけど Steve Jobs だから、最初の「ブ」は「ヴ」なんですよね。でも、ググると「スティーブ」で出てきます。もうお亡くなりになってるので、前の表記で固定されてしまったようです。他の方の名前では「スティーヴ」もよく見るようになりました。

 

 

「デビッド」「デヴィッド」「デイヴィッド」は「デー」と長音を入れるバージョンもあるから、もっとカオスな混在状態になっています。

 

 

例えば、ググると最初に出てくるウィキペディア。David Bowieは「デヴィッド・ボウイ」という表記になっていますが、David Backham は「デビッド・ベッカム」の表記です。これは、最初に英語版から日本語版に訳した人の好みでしょうかね。

 

 

同じ人物でも分かれています。

 

 

例えば、David Bowie は昔出したCDには「デビッド・ボウイ」と書かれていて、最近の書籍や映像では「デヴィッド・ボウイ」と書かれています(Amazon 調べ)

 

 

でも、本とかHPなどで見る分にはいいのですが、字幕で読むと読みづらいんですよね、この「ヴ」が。「ヴ」だけならまだいいけど、だいたい母音がくっついて「ヴァ」とか「ヴィ」とか2文字になる。

 

 

今、ウクライナ語の映画を翻訳してるのですが、英語表記に直してもらってもスペルと発音が難しそうな名前がたくさん出てきて、表記に困ってます。特に [v] のつく名前が多いんです。

 

 

前のロシアに逃げちゃった大統領は Yanukovych(ヤヌコヴィッチ)だし、ウクライナの最高議会は Verkhovna Rada(ヴェルホーヴナ・ラーダ)です。字幕の場合に限っては「ヴ」があると読むスピードが落ちるので、慣れている「ブ」のほうが読みやすくていいと思います。(一文字減るし) ”字幕的” にはこれが一番大事!

 

 

ということで、「ヤヌコヴィッチ」氏。結局1文字分節約のため「ヤヌコビッチ」と「ビッチ」で統一して訳出しました。

 

 

字幕だから仕方ないけど、「ビッチ」は不本意です。なにせ、そのまま読むとbitch。「クソあま」とか「この野郎」って意味だから、本人に言ったらケンカが始まるレベルですゲッソリ

 

 

地名で言えば、カタカナ表記の問題はもっといろいろあります。

 

 

原発事故のあったウクライナの町は、長年「チェルノブイリ」と表記されてきましたが、ロシア侵攻以来、現地語の「チョルノービリ」となりました。英語の発音はそれに近くて「チェノビル」(Chernobyl) と聞こえます。最初に日本のニュースでカタカナで入ってしまうと、英語のニュースを聞いたときに別の地名に聞こえてしまいます。

 

 

他にも、ドイツのミュンヘンは Munich だから英語読みでは「ミューニック」だし、スイスなんて国の名前が違いますよね。Swiss は形容詞で「スイスの」って意味。国の英語名はSwitzerland だから発音に近く書こうとすると「スウィッツァランド」煽り…読みにくいったらない。

 

 

外務省のHPで見ると、正式名称は「スイス連邦」(Swiss Confederation)だから、日本人が使っているスイスは略語ということでしょうか。

 

 

外国語を読むには助かるカタカナ、されど音と違う表記てんこもり。困ったものです。

 

 

 

*アメンバーは随時募集しております。以下をお読みいただいた上、ご興味のある方のみ申請をお願いいたします。ブログを拝見しても、該当する点が見当たらない場合は承認できないこともございます。はじめましての方はメッセージを頂けるとありがたいです。