久しぶりに『クリミナル・マインド』の登場です。実はこの記事、去年の11月に書いてあったのですが、翻訳の仕事が立て込んでしまって見直せないまま放置してました
また少しずつ再開しま~す ![]()
"Criminal Mind" Episode 5 『双子令嬢の誘拐』
「誘拐」はkidnapping, 「誘拐犯」は kidnapper です。
「拉致」abduction という言い方もありますが、そもそも「誘拐」と「拉致」ってどう違うのでしょうか?
調べてみると、「誘拐」は「誘う」という文字が入っていることから、甘い言葉やお菓子などで「人を騙し、連れ去ること」と多くの辞書に出ています。
「拉致」とは「無理矢理に連れ去ること」。
「拉致」のほうが、本人の意思に反して暴力を使ってでも連れ去り、そのあとは「監禁」する必要が生じるのに対し、「誘拐」のほうは騙して連れ去るので、逃げる心配がなければ「監禁」しないこともある、ということのようです。
よく学校帰りに「お母さんが事故にあった。一緒に病院に行こう」と、会社の同僚や知り合いを装って連れ去るのは「誘拐」ですね。子供のほうが騙しやすいので、英語でも kidnap というのでしょう。
この記事を書いていた頃も、大阪で小6の女の子が栃木まで連れて行かれる、という事件がありましたが、連れて行かれる、というよりは騙されてか言葉巧みに誘われてついていった、という状況だったようですね。今は、スマホで簡単に知らない人とつながって事件に巻き込まれることが多いので余計に危険な時代になりました。
今回のドラマの舞台は、コネチカット州。私が住んでいたニューヨーク州ロングアイランドの対岸にコネチカットがあり、ボストンに行く途中通りましたが緑が多くて素敵なところです。
コネチカット州含め、ボストンのあるマサチューセッツ州や、その北のバーモント州、ニューハンプシャー州などは、ニューイングランド地方と言われ、最初にアメリカに入植したイギリス人やオランダ人など、ヨーロッパ系の白人が多い地域です。秋になると紅葉
がきれいで、とても落ち着いた雰囲気の「古き良きアメリカ」が感じられます。
今回の引用は、紀元前480-406年の三大ギリシャ悲劇の詩人の一人、エウリピデス(Euripides) のものでした。
"When a good man is hurt, all who would be called good must suffer with them." 「1人の善人が傷つくときは、他の善人と呼ばれる者たちもともに苦しむ」
→「1人の善人が傷つくなら 善人は皆ともに苦しむ」(字幕)
誘拐されたのは、NYの法務次官(US Attorney Executive Assistant) の娘、パトリシア。双子の片割れであったことから、残されたもうひとりの娘シェリルは事件現場に行き、パトリシアは生きていると感じとります。
犯人から身代金(ransom)を運ぶ役を命じられますが、危うく彼女も誘拐されそうになり、FBIが未然に防ぎました。結局、犯人の目的は、お金ではなく、シェリルだったのです![]()
犯人からの電話は、使い捨ての携帯からで逆探知不能でしたが、ギデオンのじらし作戦が功を奏し、犯人が怒りにまかせて捜査員たちの悪口を言い始めたので、身内の犯行と分かりました。
同じく、Euripides said, "When love is an excess, it brings a man no honor, no worthiness." 「愛情が過ぎると、人は名誉も価値も失う」
「恋は盲目」(Love is blind.) と言いますが、捜査員としての地位も家庭もあるいい歳の男が、知り合いの娘を拉致・監禁して自分の物にしようなんて、これはもう恋の病ではなく、本当に心が病んでいるのでしょう。
こういう人たちが普段は普通に仕事して普通に人とコミュニケーションをとって社会に溶け込んでいるという事実が恐ろしい。
よく、犯人が捕まっても「そんなことをする人に見えなかった」とか「愛想がよかった」、「仲のいい家族に見えた」とか聞きますもんね。心の闇は誰にも見えません。
*This time's criminal was one of the agents, who was the son of their father's old friend.
(捜査官の一人で、双子の父親の古い友人の息子)

