前回はディズニー映画の実写版がすごい、ということを書きましたが、こちらはアニメが頑張ってますね!
『進撃の巨人』!
言わずと知れた大人気コミックとアニメーションですが、コミックは2009年に講談社の「別冊少年マガジン」 での初お目見え。なんともう10年前にもなるんですね。アニメーションは2013年からで、いろんな意味で話題となった実写版は2015年(まだ観てませんが)。
実は、リアルタイムで話題になっていた時は全く興味がありませんでした。
何しろ、巨人が襲ってきて人を喰うなんておぞましい話ですし、息子がコミックを買っていたのですが、絵がエグい・・・
何より巨人に襲われたらどう戦うんだ、すぐ話終わっちゃうじゃん!と思っていました(今となっては発想が貧相でゴメンなさいって感じですが)
ところが、ある時深夜にNHKをつけたらアニメ版をやってたんです。すごく画がきれいだし、世界観がダイナミックで惹きつけられました。
でも途中を観たので話が分からず・・・本格的にはまったのは、実は「バイリンガルコミック」からでした。
2014年に高校1年生の担任になった年、学年費から「多読用の洋書」を買えることになり、1人当たり1000円程度で学年300人くらいなので、なんと約30万円の予算がありました。
もちろん、OxfordのReading Tree シリーズや、エルマーシリーズ、Frog and Toadシリーズなどの良書のペーパーバックをたくさん選んだのですが、当時少しずつ出てきていたバイリンガルコミックも楽しそうなので購入することにしました。
でもまだあまり種類がなく、『のだめカンタービレ』や『ちはやふる』、『シャーロック』のシリーズと共に、高校生なら興味を示すかもしれないと思い、『進撃の巨人』(Attack on Titan) を当時出ていた3巻まで買って各クラスに置きました。
そして、まず自分が読んでみて面白くてハマったのです~
思ったよりも深い人間ドラマと主人公の成長物語が丁寧に描かれていて、特に母親を目の前で巨人に喰われた主人公、エレンの無念と憎しみ、その後巨人を駆逐するために訓練兵になり、挫折や友人との交流に結構泣いたり笑ったり・・・。
しかも、それで英語の表現も学べて一石二鳥です。生徒も教員も結構ハマりました(値段がお高いのと途中までしか発行されていないのが残念ですが)。
その後は、アニメ版もレンタルDVDを借りたりして、2シーズンと映画版2本を観ましたが、本当に画がきれいだし、人間と巨人ネタなのに話が終わらずにずっと続く壮大な構想がすごい、と思いました。
シーズン2まで観て止まっていたのですが、Netflixで全部やっているのでこの連休はシーズン3を観だめ(binge watching) しました~ おかげで寝不足
ここから先は各シーズンの内容を簡単にまとめます。
まだこれから観るという方は多少ネタバレになりますのでご承知の上お進みください。とはいえ完全な解説やネタバレではないので、詳しい情報が欲しい方は下記のサイトへどうぞ。
↓ ↓ ↓
進撃の考察 (このアースさんの『進撃の巨人』愛がすごい!)
シーズン1(1話~25話)では、主人公エレンの家族、仲間(ミカサ・アルミン)とのつながり、そして彼らが巨人に町を襲われ、訓練兵となり調査兵団に入るまでの3年間と、調査兵団に入って壁の外で巨人と戦う5年間を描いています。
エレンと調査兵団のひとりであるアニという女性が人間でありながら、巨人化するという設定に大ビックリでした。しかも、町を囲って巨人から守っていた壁が巨人でできているのではないかというところで終わっています。
シーズン2(26話~37話)ではアニ以外にも、仲間だと思っていたライナーが鎧の巨人、ベルトルトが超大型巨人だということが分かり、その他にユミルも巨人で、彼らは元々壁の外から来た者たちで、壁や巨人の秘密を知っているらしいことが明かされます。
また別の「獣の巨人」という謎の存在も現れ、エレンやクリスタ(のちに王家の末裔ヒストリアと判明)が彼らによって拉致されます。
調査兵団が多大な犠牲を払って彼ら2人を奪還するところまでが描かれています。巨人には知性があるものとないものがいますが、いずれも元々人間だったということも分かります。
そして、シーズン3 (38話~59話)!いよいよ佳境に入ります。ここで、一気に壁と外の世界の仕組み、巨人の謎が分かっていきます。
人々は、壁の中の人類だけが残された人類だと教えられていたのですが、実は壁の外にも人類はいました(この辺の話は映画『Village』にも似ています)。
しかも、元々巨人化する能力を宿していた民族が内乱により、一部「始祖の巨人」の能力を持って島に逃げ、壁を作ってかりそめの平和を享受していたということも明らかになります。
ライナーやベルトルトたちが壁の内側を攻撃してきた理由も分かり、彼らには彼らの大義があったということも分かります。
最終的に、ライナーとジーク(獣の巨人)はかろうじて逃げますが、ベルトルトは瀕死の重傷を負ったアルミンが巨人化薬(巨人の脊髄液らしい)を与えられ、巨人になったところで喰われます。
どの戦争でもそうですが、どちらにも戦いの大義があって、どちらかが一方的に悪いということではない、ということや、家族でも仲間でも次々に殺されていくという残酷な設定は、この世の不条理をそのまま描いていてリアルです。
それに、大陸と島に分かれて覇権を争ったり、大陸の要求を突き付けられ抗う島民、の構図は今の中国と台湾・香港を連想させて、かなり深い内容になっています。
壁の外には広い世界と自由があると思って、巨人と戦ってきたエレン達ですが、やっと敵を倒して海に出たと思ったら、その先には敵である別の人類がいた、というところで話が終わりました。
来年2020年の秋にはシーズン4(The Final) が放送開始だそうです。また壮大なスケールと美しい映像を楽しみに待ちたいと思います。
バイリンガル・コミック、おススメです!!
↓↓↓
どんどん、新しい作品も出てきているようです。