字幕の表記には、さまざまなルールがあります。

 

 

特に漢字で使用できるのは常用漢字のみ。これ以外はひらがなにする(「開く」といいます)か、ルビを振ります。頼りにするのは「用字用語辞典」(時事通信社)「NHK漢字表記辞典」「朝日新聞用語の手引」などです。これ以外にも用字用語辞典はいろいろありますが、多くの先生がたいてい朝日のものを勧めます。

 

 

 

 

不思議なことに、誰でも読めそうな「達」の漢字は、「たつ」ならOK (「達人」「達成」など)。でも「子供達」「私達」はダメ。「子供たち」「私たち」のようにひらがなにします。唯一、「友達」はOKです。(うーん、なぜだ。訳がわからない)

 

 

逆に、「わかる」「わからない」は気をつけていても、つい癖でひらがなにしてしまうのですが、「分かる」「分からない」に直されます。「分ける」わけではないし1文字減らせるわけでもないのに、これも不思議です。

 

 

それから、「おりる」の漢字の使い分けは間違えやすいので要注意です。上から下には「下りる」乗物からは「降りる」(確かに、降車と言いますね)。例外は馬と船で、どちらも高い所からなので「下りる」(昔の船は乗り場が高かったので)だそうです。確かに朝日の用語用字辞典にはそう書かれています。

 

 

ゆえに、「ロープからおりる」は「下りる」ですが、ワープロで打つと「降りる」と変換されるので気をつけてチェックしないといけません。普段よく使う簡単な漢字ほど無意識で使ってしまいがちです。

 

 

 それと、「ほどほど」は「程々」でOKですが、「~するほど」と単独で使う場合は開きます。同様に「たびたび」は「度々」でもOKですが、「~するたびに」は開きます。

 

 

う~ん、日本語なのに難しい。。。

 

 

翻訳をやっていると、英語の辞典ももちろん引きますが、「用語用字辞典」の方がむしろ引く回数が多いかもしれません。