相性占いの不思議
運勢こそ僕は自分で決めたい
不可能という言葉が辞書になかった人のように
大安以外の日が暦にない人でいたい
君との相性だって
堂々と花丸宣言をしたい
君はふだんそんなに運勢に支配されていないのに
ときどき思い出したように相性計算のドリルをはじめる
たぶん雑誌の特集のローテーションに秘密があるのではないか
微妙な結果だと
なにこれ へんなの
とぼやいて君は別の計算に取りかかる
時々無茶な問診が飛んでくる
自分が産まれた時間なんて知らないよ
君は説明を読み直して迂回法を探す
混み始めたファミレスの窓際の席で
僕はボールペンのお尻と 君のまつげを眺めている
そこに小さな光沢が宿っているのを追っている
楽しそうで何よりだ
やがて
お望みの計算結果が見つかる
ねーねーきーてきーて 読むね
僕は上の空で聞き流す
そんなこと 改めて言われなくても決めているから
僕たちは花丸だ