あまりにかわいそうなので書けない | お泊まり恋愛詩

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


あまりにかわいそうなので書けない


かわいそうな女の子の話。


買い物に出かけたけれど、僕は携帯を家に忘れたのに気づいた。

スーパーから自転車で引き返す。

駆け足で家のドアを通り抜けると、

留守番中の女の子が、僕の携帯のチェック中。


ため息をついて僕は女の子を見る。

凍りついた表情が目新しい。


「見ていいよ、好きなだけ。やましいことなんてないから」


力の抜けた動作で幾つかのボタンを押した後で、

ゆるゆると携帯がテーブルの上に戻される。


「もういいの?」


女の子が ぴく と頷く。


僕が出した2択は、

・別れる

・つらいだけのお仕置き

別れるなら合い鍵を携帯の脇に置けば良かったし、

お仕置きなら服を脱げば良かった。


何分間も凍った挙げ句、
硬い動きで、女の子は服を脱いだ。


それからのことはあまりにかわいそうなので書けない。

いつもの「ひどいこと」は

ふたりがえっちになるためのスパイスだったけれど、

この時の「ひどいこと」は

本当にひどいことだったから。


痛みと痺れのせいで、君が作ってしまった水たまりの上で、

僕は君を抱きしめる。


「僕を信じてよ。今日のことはもう許してあげるから」


女の子が くん と頷く。


まあ、たまにはこういう日もある。