翌日からゆうくんは自分のことは自分でやるようになった。
毒義母に怒られるのが怖くてお弁当だけは作った。
ゆうくんは無言でお弁当を持って家を出て行った。
仕事を終わったゆうくんが大きな音を立てて帰ってきた。
インターホンではなくドアノブをガチャガチャとする音が帰宅の合図になっていた。
🙋♂️「鍵開けとけよ。」
🙋♀️「でも物騒だから。鍵持って行けばいいじゃん。」
🙋♂️「お前は馬鹿?誰か入ってきたことある?田舎だから大丈夫だし、誰も入らねーから。」
帰ってきてゆうくんは速攻キッチンに行き炊飯器を開けた。
🙋♂️「はぁ。飯炊いてねーのかよ。」
🙋♀️「わたしごはんいらないから炊いてない。」
ゆうくんはため息をつきながら冷凍のごはんを解凍してレトルトカレーを食べた。
こんな生活が何日か続いた。
するとゆうくんは週末実家に帰ると言い出した。
🙋♂️「お前も一緒に帰るから準備しろ。」
🙋♀️「帰らない。ここにいる。」
🙋♂️「お前実家帰って稼いでこいよ。週7で働いてくれ。ここにいられても困るんだよ。」
🙋♀️「なら帰るから新幹線代ちょうだい。一緒に車で帰りたくない。」
🙋♂️「お前は俺から金吸い取って楽しい?俺は帰るから好きにしろ。」
🙋♀️「月曜日2回目のワクチンあるからよろしくね。」
ゆうくんは大きな音を立てて家を出た。
いつもなら1人だと暇とか寂しいとかいう感情を持っていたけれど、この日はなんだか安心した。
実家に帰るといえばわたしも着いて行くと思ったのだろう。
そのまま実家に置いて迎えに来なくなることが目に見えていたのでわたしは頑なに帰らなかった。
わたしはゆうくんが実家に帰っている間、着々と離婚に向けて準備を進めた。
ゆうくんが実家に帰ってる間に不利のないように知り合いの紹介の弁護士の先生に相談した。
この相談のおかげでわたしは物事が後に有利に進む。
