アニメ感想/「オオカミさんと七人の仲間たち」 | ライトノベル名言図書館・別館2(更新休止中)

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twitterではほぼ毎週実況してたのですが、こっちで感想を書くのは初めてかな?


悪くはない、けれども決して良くもない。

“JCSTAFFが制作したラノベアニメはこうなりますよー”というテンプレート通りなアニメ化だった印象です。

作画は安定して高品質で、見た目は整ってはいるのですが、良くも悪くも「原作の本筋ストーリーを切り貼りしてアニメの尺に合わせて無理矢理まとめ直したらこうなりました」的なアニメ化でした。
無難といえば聞こえはいいのですけどね。
ストーリーや設定を端折った影響で、確実に原作からの劣化を免れていません。
原作の面白さを10とするなら、アニメは7くらいといった印象です。

「オオカミさんシリーズ」の場合は、特に端折った影響が大きすぎたかな、という感が大きいです。
というのも、JCSTAFFが以前制作した「とらドラ!」「大正野球娘」は原作の本筋からして秀逸なシナリオ構成だったので、端々をカットしてもなんとかその面白さを表現することに成功していましたが、「オオカミさんシリーズ」はキャラの掛け合いやトンデモ設定の面白さに魅力の本質があるのであって、ストーリー自体はおまけのようなモノだと思うんですよね。
本筋ストーリーだけをまとめてアニメとして1話ずつまとまったエピソードにしたはいいけれども、肝心要の原作の魅力をことごとくこそぎ落としてしまった感が強いので、残念です。(まあ、ラノベ原作アニメとしては総じてシナリオが省略される傾向が強いんですけどね)
特に、乙姫さんの竜宮流房術辺りの設定や語られなかった点や、地蔵さんと花咲さんの前半エピソードや豚田三兄弟のエピソードがダイジェストでしか語られなかったことは残念でした。
率直に言って原作は「作者自重しろww」といつも思うくらい過激だったりエロかったりしますが、アニメ版はだいぶ自重しちゃいました。これはJCSTAFFの社風なのかな? 既存作品も、深夜アニメとしては概ね健全なラインナップが多い気がします(初恋限定のような例外もあるみたいですが)。

あと、ナレーションも思ったほど面白くはなかったですね。原作のノリを再現できていたのは良かったんですが、登場人物の台詞に被ると不快でしたし、そもそも喋ってる内容を鬱陶しく感じてしまうこともしばしば……。

アニメ放映前は、作画の良さとナレーションに黒子新井里美さんが起用されることで化学反応が起きて面白くなったりしないかと期待していましたが、結局いつものJCだったなあ……。
下手に新興制作会社やディーンに作られるよりはだいぶマシなんですが……。「なんだかなあ」「もっと面白く作れないのかなあ」というのが正直な感想です。
まあ、原作にしても、林檎さんの過去や羊飼のエピソードは盛り上がり具合が中途半端でしたし、終盤の盛り上がりに欠けたのは、全部アニメのせいと言い切れない部分もありますけどね。
原作に合わせてくれるのはもちろんありがたいのですが、JCが作るアニメは何かもう一押しサプライズが欲しいところ。いつも安定している代償として、いつも淡白なアニメ化な印象があります。

あと、気になるのは2期があるかどうかですね。
オオカミさんが皮を剥ぐ最高のエピソードを残してますし、周辺人物にスポットが当たるエピソードはぶっちゃけ御伽銀行が絡む秀逸だったりすることも多いのでぜひとも描いて欲しいのですが、果たして語られるのかどうか……。
といってもBD&DVDを買い集めるほど熱心なファンでもありませんので恐縮ではありますが……。
2期、あるといいなあ。