ここ最近のことを書いている今現時点
まだ仕事をしていた時
昼間から外でビールを飲んでいた
ちなみにつまみは枝豆とジンギスカン
超絶に舌が幸せだった
その時にナンパされ
飲みに行った男性と
ここ何ヶ月か前に偶然再会した
嘘だろ
と衝撃が走った焦った
連絡先を交換してすぐフェードアウトした
その相手が目の前にいて自分のことを覚えていたんだから当たり前だ
その人は非常に喜んでいて
連絡がなかったことをひどく悲しんでいたので
とてつもなく申し訳ない気持ちにさせられ
少し反省した
それからは連絡が来ると
普段は引きこもり外に出ていないので
自分が外に出られるようなテンションのときは
一緒に出かけたりしていた
ある日また誘われ待ち合わせると
スーツ姿で登場した
センスのいい仕事姿で
主張し過ぎないお洒落なブランド物のマフラーにコート、時計にカバン
そこに目を向けるあたしもどうかと思うが
ニートというあたしは隣を歩くことさえ
はばかられた
場違いな気分になり、それこそ憂鬱になった
すみません、こんなあたしが隣を歩くなんて
毎日頑張ってお仕事をしている貴方の品位が
損なわれます、ごめんなさい的な
自分も働いており普通に生活していたならこんなことは思わなかったと思うが
今のあたしは底辺に位置しているのだ
その時までその人がどんな仕事をしてるかとか
興味さえなかったので聞かなかったけれど
自然と仕事の話になり
尻から手を突っ込まれガタガタ言わせれているんじゃないか
というくらい驚愕した
あたしとは世界そのものが違うぞ、と
これこそまさに月にスッポンというのではないか、と
相手は特に仕事のことを聞いてきたりはしない
変な詮索をしないので、そこに甘えている事実も
私の中に罪悪感を膨らませる
そんな中、
予約してるという店に
重い気持ちのまま足を運んだ
決してその人は悪い人ではない
重い気持ちになるのはあたしの勝手だし
むしろ悪い人はあたしだ
社会的に脱落している
案内された店は屋上にあって
席からは夜景が綺麗に見えた
外に食べに行ったとしても
経済的に普段からチェーン店や
やっすい居酒屋なので
なかう、すきや、マジ最高!な人間
入って驚愕した、
場違いとは正にこれだよ、と
ワキ汗が私を心配してくれているかのように
溢れてきた
最初にメニューをみたけれど
料理名なんて頭に入って来なかった、
あたりまえだ
メニュー下に羅列されている値段に
白目をむきそうになるのを堪えながら
一番安いドリンクを注文したのは
私が貯金を切り崩し
基本的に引きこもっているからである
金ないですとは言えず
お腹あんまり空いてないんだーはははは
と言いながら注文を最小限に留めようと頑張ってみるものの
じゃあ好きなの頼むね、嫌いなものないっていってたもんね、と
バンバン頼む彼
ひいいいいと思ったけれど
腹をくくった
とりあえず普段の食費と光熱費をもっと抑えることに決めたあたし
極寒の中暖房を付けずにコタツだけで頑張ってきたけど、こたつもしまおう
そしてろうそく生活にしよう、
幸いキャンドル集めにはまっていた時に集めたろうそくたちがあるし、
引きこもり率を上げれば、ここで贅沢しても
まだ少しはいけると瞬時に判断した
金勘定にはひどく冷静で
腹の中で何考えてるんだ馬鹿女めと
遠くから声がした気がした
そこは、よし、働こう!
となるべきだと、解ってはいるが
あえてつっこまないでほしい
その後は、いつものように他愛のない話をしながらすごしたのだけど
突然店の明かりが消え
目の前にバースデイケーキ
彼はしてやったりな顔で
おめでとうといって
プレゼントを差し出してきたのだ
本気で時間が止まるという事を体験した
驚いてくれて良かったという言葉に
我に返り、驚いたあたしをみて
微笑んでいる彼に
本気で泣きそうになった
そして、値段を見てうろたえ
節約云々を考えていたあたしを
非常に恥じた
引きこもりを続けようとしているあたしを
この屋上から叩きつけてやりたい気分になったのだ、
なんとなーく知りあって
なんとなーくリハビリがてら
あっていた人がこんなにサプライズな
ことをあたしのような人間にしてくれているなんて
どう考えても信じられなかったし、このままじゃいけないと思わされた瞬間だった
仕事での人間関係が嫌になり
人間不信に陥って
最低限の付き合いを貫き通してきたあたしに
そこまで深くは付き合っていない人が
何気無い会話の中の
なんとなーくな相手の誕生日を忘れず
祝ってくれるなんてことが起こって
日々の生活から目を背けていた自分の不甲斐なさと
相手の優しさにひどく困惑してしまった
とても嬉しいひどく嬉しいこの上なく嬉しい
こんな風にあまり深い関係ではない人から
無償のお祝いというものをされたことがないのだ
というか、ぶっちゃけ、この状況は
少女漫画でしか見たことがなかったレベルだ
だけど、心の中で素直に喜べない自分
今の自分の置かれている状況に
相手があたしのことを考えしてくれたことに
あたまとこころがごちゃまぜになった
その後は、トイレに行ってくると一言告げて
いつの間にか会計を済ませ
スマートにあたしの隣へ戻ってきた、その人
普通なら「ありがとう、嬉しい」
で済ませられたのかもしれない
だけどあたしは
後ろめたさがガツンがツン頭をぶん殴ってくるのだから
そんなわけには行かなかった
あたしなんかのために
そんなことしないで欲しかった
気持ちはすごく嬉しい
だけど、駄目だ
一生懸命稼いだお金を使わないで欲しかった
だから粘ってみたが
「俺の顔を立たせてよ、かっこ悪いじゃん」
と茶化して、
かつ自分のことを下げて
やんわり拒否の姿勢を貫くこの人に
全あたしが泣いた
どこまで良い人なんだろうと
こんなに気遣える人がなぜあたしの隣に座ってるんだろうと
君ならもっと社会的に活躍していて
プラスもっと素敵な人との
食事を楽しめるのに
なぜ今隣にいるのがあたしなのだと、
切なくなった
別に付き合っているわけでもないし
相手が好意を寄せているわけでもない
あたしも恋愛感情があるわけじゃない、
だけど
人の優しさとか相手を思いやる気持ちは
そんなものなくても成り立つんだ
解っていたはずだけど、
なんだかすごく変な気分だ
これはどうお返ししてゆけばいいのだろう
何をして返していったら
喜んでもらえるのだろう、
後ろめたさと
人の想いに
胸が張り裂けそうになった最近の出来事
次会う時は
いまできるあたしの精一杯を返そうと思う
普通ならときめく状況に
素直にときめけない状態のあたし
あううああう