二十一番『誰かに誉められるわけでもなく』
誰かに誉められるわけでもなく
誰かに認められるわけでもなく
遊びにうつつを抜かすわけでもなく
着飾るわけでもなく
美味しいものを食べることを
望むわけでもなく
先のために
貯めるわけでもなく
ただひたすら
腰を曲げ、土にまみれ
落ち葉を拾い、石を整える
それで良いのだ
日はまた昇る
でも、日は現れるために昇るのではない
雨が降る
うっとうしがられても
雨が降る
だが、雨が無ければ
命は育たぬ
雨は誉められるために降るのではない
日も誉められるために昇るのではない
誉められるためにやるのではない
認められるためにやるのではない
それが
我が今生の喜びだから