今日はクリスマスですね。

今から30年近く前、私が学生の頃です。

クリスマスの夜、ある街を一人で歩いていました。 何かの用事があるわけでもなく、人と逢う約束があったわけでもありません。

ただ、クリスマスの街を歩きたかっただけです。雪の降る、夜の街を。

クリスマスの飾り付けでにぎわい、家族連れや恋人達が笑いながら行き交う様をぼんやり見ながら歩いていると、
1軒の古本屋がありました。 あまりぱっとしない、少しうらぶれた古本屋でした。

ふらっと入って、本棚を眺めているうちに1冊の本が目にとまりました。お菓子の本です。モンブランやバームクーヘンなどの作り方が、きれいな写真とともに載っていました。

なんだか分らないうちにそれを買い求め、店を出ました。それまで少し物悲しい気持ちだったのですが、それも薄らぎました。

家に帰ったらお菓子を作って、家族に食べさせようかなと思い、家に向かうバス停に急ぎました。

その後、お菓子を作って家族に食べさせたのかどうかは覚えていません。 本も実家に置いてきたので、今は持っていませんが、クリスマスになるとあのときの街の灯りが目に浮かんで、不思議な気持ちになります。

おそらくは十代最後の頃でしたので、理由もなく感傷的になっていたのだなと思います。

今あらためて思います。やはりクリスマスは家族で過ごすことこそ一番だと。