
F1の開幕までもう1ケ月を切りました。今は、バルセロナで一泊しへレスに向かう最中。へレスはユーラシア大陸の最西端にあるので、日本からはちょっと時間がかかります。出発日がちょうど3連休にぶかったこともあり、フライトがなかなか予約出来ず、2日ほど早く日本を発ちました。バルセロナでは久しぶりに市内を散策し、サクラダファミリア等々を見学、海の幸を満喫しつつ、へレスに向かいます。
スペインでは、テストの真っ最中ですが、年末から1月にかけては自宅に篭って執筆に没頭しておりました。何の執筆かと言いますと、先日発売となりました佐藤琢磨PHOTOBOOK 第2弾“反撃”の原稿でした。どんな本であれ、書店に並ぶまではそれなりの苦労があるものですが、今回も例にもれず、なかなか手間と時間のかかる仕事でした。1作目の“頂点へ”を書き上げていたので、だいたいの要領は得ていたのですが、今回は編集スタッフも変わり、すでに3年が経過していたことを考えると、一からやりなおしのようなものです。
本を出すというのは、難しいモノ。発売のタイミングや、取材&撮影の設定、そしてライバル誌があれば、その対策も。昔々に書店調査のアルバイトをしていたことがありました。発売された雑誌の売れ行きを、実際に書店を回って確認しにいく仕事なのですが、これが不思議なもので、せっかくいい本なのに売れ残ったり、どうしてこんな本が売れるんだろうというモノがバカ売れしたり‥‥。市場動向調査と言えば、聞えがいいですが、世の中のニーズに対して、どれだけマッチしたものを、発売出来るかが、すべてなのです。
F1速報の編集長とも協議の上、このシーズンオフに1冊続編を出そうというのは、決まっておりました。1作目は、琢磨選手のF3時代から撮りためていたものを、世に出すタイミングを図っていましたが、2004年に初表彰台を獲得したタイミングに合わせて、発売ということになりました。ですが、2作目はどうしたものか? 琢磨選手の置かれた状況を考えると、スーパーアグリに移籍した琢磨選手が、またまた表彰台に上がる可能性は、非常に低くなってしまった。ならば、もう2作目の執筆はもうあきらめないと‥‥と、思っていました。1作目の反省も踏まえ、人気のあったプライベート写真を撮っては貯め、撮っては貯めしていたものの、世に出す機会もなくお蔵入りしてしまうことになってしまうのか‥‥。もちろん撮っておいて、損することはないのですが、それを発表できる場がないというのは、フォトグラファーにとってはこれ以上のジレンマはありません。
そこで、スペインとカナダGPで入賞という、琢磨選手とチームの快挙に乗じて(?)、第2作目を刊行することになりました。と、いうわけで2005年からの3年間をまとめ、データを作製し、過去の記事を読み返したり、インタビューの音声を聞き直したり、タイムマシンに乗って旅をしているような気分でした。05年の悪戦苦闘、06年のゼロからの出発、07年の奇跡。どれを思い起こしても、波乱万丈の琢磨選手のドライバー人生でした。
しかし、この本ならでは目玉企画が何か足りない。う~ん、困った。ここ一発トドメの写真が欲しい。さてどうしたものか。琢磨選手の時間も限られているし、もう少しでモナコに帰ってしまう。そこで泣く泣く琢磨選手に頼み込み、箱根の温泉に行くというプライベートの時間を少しだけ分けてもらいました。
閑静で、立派な旅館に着いて、キレイな紅葉のお庭でパシャ! 浴衣に着替えてもらって、お風呂でパシャ! わずか1時間にも満たない撮影でしたが、1年間の疲れを癒す琢磨選手の撮影が出来ました。
“反撃”を御覧いただいた皆様、感想はいかがでしたでしょうか? 筆者自らみなさんに感想を問うなど、思い上がりも甚だしいですが、琢磨選手とスーパーアグリの奮闘に免じて許していただきたいと思います。
そしてこの本の製作にあたり、ご協力いただいた皆様に感謝します。ありがとうございました。
第3弾の執筆は、まだ未定です。もし、もう一度パソコンの前に座って、格闘する時が来たなら、それはきっと琢磨選手に“何か”が起きた時でしょう。 (h)
