正史三国志は紀伝体なので、どこから読んでも問題なし!イメージ的には、同じ紀伝体の史記について、始皇帝から読んでもいいし、項羽と劉邦から読んでもいいし、もっと前の孟嘗君とかから読んでもいいのと同じようなつくりになってるんですね。
ちなみに、ちくま三国志4巻は割とマイナーな武将の伝記がメインですが、終盤に知らない人がびっくりする文章が登場します。はい「魏志倭人伝」です。いわずと知れた「鬼道を事としよく衆を惑わす」でおなじみ邪馬台国の卑弥呼姉弟の話!
そうなんです。これも正史三国志の一部なんですね。
こうして改めて正史三国志の中の魏志倭人伝を、他の異民族伝(鮮卑・高句麗など)と通しで読んでみると「ああ、日本史も世界史の一部なんだな」と実感できます。というか、邪馬台国の話だけ切り抜く方が間違ってるのかもしれないですね。
邪馬台国の話は、あくまで黄巾の乱から西晋成立までの三国志メインストーリーと無関係に存在しているのではないわけですから。
近隣の異民族の話も読み応えあり!特に高句麗・東川王の話は寄せ手の武将である毌丘倹の伝記と合わせて読める作りになっているのがいいですね。
ちょっと読みづらいですが、魏志倭人伝本来の姿を知りたい方に一押しの1冊です。