ミク「マスター、懸案の『福知山いこい』完成おめでとうございます。」
俺「ありがとう。」
リン「黄帯の12系なんて初めてみたよ。」
レン「こんなのあったんだ。」
俺「改造が1985年のことだ。JR移行（このときに「旅立ちJR西日本号」に運用される）をはさんで1989年には団体客向け欧風気動車「セイシェル」の中間車に再改造されてるぞ。足掛け4年の運行に過ぎなかったことから、知名度もいまいちだったりする。」
ミク「ですがこの客車、旧型客車や14系の編成の端っこにつないでみたり、キハ58 2両の中間にはさんで走らせたりと、千変万化の楽しみ方ができるんですよね。」
俺「そのとおりだ。バラエティ豊かな車両と組み合わせて楽しめる、本来的な意味で上級者向けの1両だ。」
リン「反対側の写真はないの？」
俺「ほいきた。」
レン「うわっ、後ろのドアと一番前よりの窓が埋めてあるんだ、これ！」
俺「わかりにくいが、最初に出したこれと反対側の写真でも、後ろのドアは埋めてるんだな。その埋めたあとにジャンク品で購入していた165系のトイレ窓をはめてあるぞ。」
ミク「ずいぶん手の込んだ改造が必要なんですね。あ、今気が付いたんですけど、一部に窓の上段を白く塗っているところがあるようですが、これは一体何なのですか？｝
俺「実はこの『福知山いこい』は本来団体客向けのいわゆるお座敷列車なんだな。もっとも他のお座敷列車とは違うユニークな設備のある車でもあるぞ。客室真ん中に設置した仕切りより前側がいわゆる畳敷きの和室で、後ろ側が洋間のつくりになってるんだ。窓の白いやつは和室の障子で、ガイアノーツのアルティメットホワイトをガラスの裏から塗って表現してるんだ。」
リン「青の色味も後ろのオハ12とは違ってるような。」
俺「いいところに気が付いたな。この『福知山いこい』の青は12系では例外的に青15号が使われていたんだ。今ネットでみられるこの車を連結した『旅立ちJR西日本号』の写真をみると、この車だけあからさまに青の色味が違うのがわかるはずだ。」
レン「車体側面にある排気口の位置も変えてあるんだね。」
俺「この『福知山いこい』を作る上で一番障害になったのがその排気口のディテールだ。種車のKATO製品は後期型なのに対し『福知山いこい』は初期型で側面排気口の位置と形がまるで違ってるんだな。ここをどう工作するかで長く悩んでいたんだが、エポパテが生乾きの時を狙ってデザインナイフでモールドを入れてやるとかなり精巧なものが作れることがわかったんでな。今回勝負かけてみたんだ。」
ミク「これで電気機関車のすじ状のエアフィルターの表現もできますね。」
リン「ミク姉、今ものすごくエロいこといわなかった？」
ミク「........リン、気のせいですよ、気のせい。言ったとしても、それはすべてマスターの責任です。」
俺「お、俺かよｗ。ま、ボカロの仕様である以上俺が責任とるしかないな。」
レン「そ、俺らはボカロ！自分ではしゃべれないんだから、俺らの発言は全部マスターの責任！」
俺「....ともあれ、だ。エポパテを使いこなすことで今まで手を付けられなかった工作にもこうして手が出るようになった、ってことだ。」
ミク「今夜はこの辺でお別れですね。エンディングはこの客車が最も輝いた運用『旅立ちJR西日本号』にちなみ『いい日旅立ち・西へ』。」
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