桃太郎、かぐや姫、浦島太郎・・・・・・
私たちが子どもの頃から親しんできたお話です。
また、親から子へ、子から孫へと語り継がれてきたものでもあります。
これらのお話は、一般に物語と呼ばれています。
物語は、生き馬の目を抜くような広告宣伝やマーケティングの世界でも注目されるようになっています。
マーケティングというのは、供給者(主に企業)が需要者(多くは消費者)に、自分たちの製品、商品を理解してもらう活動です。
したがって、コミュニケーション活動の一種ということになります。
電通のような広告会社が、自分たちのことを、マーケティング会社であるとかコミュニケーション会社であると規定するのは、現代という時代において、マーケティングやコミュニケーションが重要なものになっていることを表しています。
それでは、マーケティングやコミュニケーションといった現代の最先端の活動において、物語が注目されているのは何故でしょう?
そこには昔から語り継がれてきた桃太郎などの昔話とどういう共通性があるのでしょうか?
物語マーケティングの解説を見てみましょう。
世の中には、売り込みのメッセージや マーケティングのメッセージが溢れています。
人はそういう類のメッセージには、食傷気味で、なまじの言葉では振り向きもしません。
そんな中で、エンターテイメントは、私たちに強いアピール力を持っています。
ゲームや映画といった巨大市場が 成り立っているのはエンターテイメントの力です。
Facebookの創業ストーリーを映画化した「ソーシャルネットワーク」が大ヒットしたことによって、Facebookに興味がなかった人もFacebookに興味を持つようになりました。
物語(ストーリー)は、エンターテイメント性によって強い訴求力を持ちます。
単に、 セールスページで、信頼性や品質や実績を謳っても、なかなか人に興味・関心を持って貰えません。
物語が注目されるのは、そこにエンターテイメント性があるからでしょう。
消費者が欲しているのは、機能よりも意味だと言われます。
単に理詰めで商品の優位性を訴求するよりも、感性に訴えた方が効果的だというわけです。
「ものづくりからものがたりへ」
2007年、経済産業省が、こんなキャッチフレーズで産業政策を打ち出したのも、物語の持っている力の再評価を示しているといえます。
(T)