私の母は情緒不安定な人だ。
日々、母親の顔色を伺い、
母親のしてほしいことを察して先回りする必要があった。
その時に本人へ聞くなんて愚行をしてはいけない。
聞いたら最後、それは否定されて私の努力は泡となって消えてしまう。
母の周りはいつも敵だらけだった。
それは母の生い立ちが関係していたり
そのせいでこんがらがった思考のせいで思い込んでいたりと様々だけど
周りは全て敵だから、決して心を許してはいけない。
いつも気を抜かず、疑ってかかれと私達に教えた。
母にとってはそれが我が子に出来る最大限の愛情で
今も愛情は溢れんばかりに感じられる。
だから、幼い私達はその教えにならって日々を生き、
母親の顔色で機嫌を察することで穏やかに過ごすコツが上手くなった。
でも、それは社会に出ると何の役にもたたないことを知る。
周りは敵ばかりではなかった。
それはわかるがわかったところでどう行動すればいいのかはわからない。
人の心を察することを重視するあまり、
何を言っても相手の地雷を踏む可能性を考えて上手く話すことが出来ない。
こちらから提案したことで楽しそうにしてくれても
後からやっぱりあれは迷惑だったかも…と答えのでないことを悩んでしんどくなる。
姉のカウンセラーの人が言うには
私達は『ライフ残り1』の状態で日々ギリギリを生きているが
他の人は『ライフ残り100&自動回復あり』の状態で生きているらしい。
だから必要以上に人を傷付けたかもしれないと悩んで悔やんだり
必要以上に傷付くことを恐れたりしないんだそうだ。
目からウロコとはこのことだ。
きっと私達は母親との生活を生き抜くために
『マイナーな鬼畜ゲー』をクリアするために日々頑張った。
Lv.100になり、これなら安心といざ世間に出てみれば
皆は『王道のドラクエ』をやっていて
世間はドラクエのLv.100がスタンダードだった。
私達は鬼畜ゲーではLv.100なのに
ドラクエではLv.1なのだ。
王道の世界では今までの武器は一切通じず、
初期装備の状態で世間に放り込まれた。
なんとか溶け込もうと皆と同じLv.100のような顔をしているが、
中身はLv.1なのでちょっとした攻撃ですぐ死んでしまう。
自分がその状態なので、相手もそうだろうと思い込み
攻撃ではなくひたすら防御を繰り返す。
姉と話をしていて、この考えにたどり着いて納得した。
そりゃ、生きづらいよ。
よく生き抜いてきたよ。
よく頑張ったよ。
そういえば、精神科へ通っていたときに
カウンセラーの人に生い立ちを話すと
「よく頑張ったね」と言われた。
助けを求めた公的な機関の人達にも言われた。
私は「普通はそんなに頑張らなくてもに生きてこれるの?」と大いに混乱した。
これからも私は些細なことで悩んで悔やんで落ち込むんだろうけど、悩む自分を許してあげたい。
この話を思い出して「よく頑張ってるよ」って自分を慰めてあげたい。
それで、皆はライフ100あるんだから
そんな落ち込むことはないんだと思考を切り替える癖をつけたい。
そうやって自分を慰めて許して
自分の子供には絶対に同じ思いはさせないようにしたい。
まずは自分と向き合うこと。
次から次にやってくる問題に目を奪われてうやむやにしないように。
ここに宣言しておこう。
自分と向き合って、自分を許す。
自分の子にはあんな思いはさせない。
私は私の人生を生きる。
まずは自分から。変わろう。