あの実技試験から2週間後、いよいよ技能検定の学科試験の日になった。
初めて挑んだ技能検定の実技試験は、納得の行く出来ではなかった…
せめて学科だけでも合格しなければと、この2週間、さらに必死に勉強した。
ネットで買った、5年分の過去問題集を毎日やり、ほとんど100点を取れるレベルまで頑張り、挑んだ学科試験!
試験会場は、県の専門の試験センター。
いろんな検定の学科試験が行われるので、かなりの人が来ていた。
会場に少し早めに着いた僕、早めのランチにでもしようかと、試験センターにあるレストランに行くと、実技試験の時に一緒に受けた男性がいた。
軽く挨拶を交わし、ついでに一緒にランチを食べた。
男性は僕よりも10歳ほど上な方で、会社からの業務命令で試験を受けるそうだ。
「本当はこの歳で、試験なんて受けたくないんだけとね~」
会社の命令で試験を受けされられる男性と、会社から役に立たないと言われてまで受ける僕…
ちょっと複雑な気持ちになった…
そして時間になり、会場へと行った。
学科試験は、金型・プラスチックの種類や特性・成形機の構造・機械設定や品質についてなど、成形に関する事全般が出題された。
解答は○✖️や4択、それなりに勉強していればわかる問題ばかり。
ABS樹脂成形品に生じる黒条の原因として、誤っているものはどれか?
イ 射出速度が速い
ロ 滞留時間が短い
ハ シリンダ温度が高い
二 スクリュー背圧が高い
答えは ロ
黒条は材料の炭化が原因、温度が高かったり、射出速度が速かったり、背圧が高いと起きやすくまる。
温度が高いと当然、樹脂は炭化しやすくなるし、滞留時間(溶けた樹脂が成形機に残っている時間)が長くても、炭化する。
射出速度が速いと、金型内にある空気を樹脂が巻き込んでしまい発熱し、炭化を起こす。
射出後に新たな樹脂をチャージする為の、スクリュー背圧は、やはり高いと樹脂を溶かして練り込む際に、熱を発し、炭化が起こしやすくなる。
したがって、滞留時間が短い"ロ"が間違っているのである。
と、ただ解答するだけではなく、自分なりに心で解説しながら答えていった。
1~2問は勘の答えもあったが、ほとんどの解答に自信があった。
こうして学科試験は、余裕で終える事が出来た。
毎日早起きして取り組んだ、技能検定試験は、こうして終わった。
2ヶ月後、結果が発表された。
ネットでも発表されるので、ドキドキしながら見たが…
結果は…
不合格…
実技と学科の両方が合格しないと、真の合格となれないのだ。
僕は学科は94点で合格したが、実技の方がダメだったのだ…
学科合格者は、5年間の学科試験免除になるので、来年は実技の勉強をもっとしっかりやって、頑張ろう!と気持ちを切り替えた。
そして1年が過ぎ、2回目の実技試験…
前回のミスを修正し、時間オーバーの減点もない、満足の行く形で終えられた。
今度は合格できるだろう!
そう思っていたが、結果は不合格…
何がダメだったのか…
成形品が悪かったのか…
最初の試験の時よりも落ち込んだ…
実技試験だけでも4万円以上かかる。
次はどうしよう…
会社でも社長とのトラブルは相変わらず有り、仕事への意欲もますます薄らいで来ていた…
もう資格なんていらないから、さっさと辞めてしまおうか…
いや、学科は合格しているんだから、もう1度だけ受けようか…
悩んでいた矢先に…
あの東日本大震災が起きた…
続く…
まあ…人生、そんなに甘くないって事です…
毎日勉強していたおかげで、学科は余裕の合格、しかし実技はダメでした…
さすがに2回も実技試験に落ちた時は、かなり凹みました。
3回目の実技試験をどうしようか迷っていた時に、あの東日本大震災がおきました。
次回は、東日本大震災が起きたあの時の事を書いていきます。
皆さんの訪問待ってます!
皆さんの応援が毎日の糧になっております^ ^