遺影写真を撮りに来た「もうすぐ死ぬ」というお客さん。
年齢は、45だったかな?
たぶん、胸上のキズからすると乳がんだろうか?
あまり、深い内容は聞けなかったが、聞いたときには、
すこし、涙が出そうになった。
彼女も、ちょこちょこ、涙を拭いていた。
人生の終わりは誰でも来るが、
人より、少し早い時点で、氏を迎えるという気分はどうだのだろうか?
聞いてみたかったが、聞けなかった。
撮影中、カメラが故障した。
たまに、エラーが出ることはあったが、
今日は、エラー出まくりで、最後には動かなくなった。
カメラを変えて、撮影をしようとすると、
変えたカメラの方も、エラー・・・
これは、何か見えないヤツがいる!
俗に言う「死に神というヤツだろう。
そこで、念を唱えた「負けるか、このやろー!」
死に神ごときに、好きにはさせない!
そんな、気合いを入れてカメラを握った。
エラーは、おさまり撮影を再開。
無事に、いい感じの遺影が撮れた。
本人も「こんなにいい遺影が撮れて、来てよかった」と言っていた。
撮影後、コーヒーを出したが、
どうも、言葉が出ない。
いつもなら、いろんなことを聞くのだが、
次のお客さんが、隣でメイクに入っているし・・・
でも、かろうじて遺影写真の話をして、その後、送り出した。
「死」
意識したことはあるが、現実に目の前に迫ってくることはない。
現実に目の前に迫ったとき、どんな心境になるのだろうか?