その後も俺は、ほぼ月2回のペースで彼女に会いに行った。メールも変わらず長文でやり取りしていた。

この頃から彼女のメールに【大好き】という言葉が頻繁に入るようになった。

素直に嬉しいのだが、11歳上の男として余裕を見せたいという気持ちも働いていたのかも知れない。俺からはどこと無く【擬似恋愛】【恋人ごっこ】という雰囲気を演出していたように思う。

前にも書いたが、俺は既婚者であることを、アンナに話している。しかも夫婦はいたって仲良しで、別れる可能性も一切ない。

アンナはそんなうちの夫婦が大好きだと言う。そして、妻を大事にする俺が大好きだと言ってくれる。

ここで言う【大好き】という表現は、はたして【男】としてなのか?それとも【人】としてなのか?

この当時、あまり真剣に考えたことはなかった。ただ単に【大好き】と言われて喜んでいた。

しかし大人のふりをして余裕を演出しても、俺の恋愛感情は日に日に増していたというのが、正直なところだ。

もちろん妻のことも変わらず愛している。でもアンナのことも気になって仕方がない。

俺にとって、過去に味わったことのないジレンマだ。