白鷹町の古典桜を巡る | 小さなお侍さんの登頂録

小さなお侍さんの登頂録

歴史やオペラなど関心のある分野について、まったりと語っています。登頂録と銘打ってはいますが、登山とは無関係です。一種の比喩的表現として使っております。

山形県白鷹町は、荒砥地区と鮎貝地区から構成された風光明媚な土地柄で、置賜盆地の北端に位置しています。今年、平成30年の桜の開花は全国的にも早まっており、この地でも例年に比べて一週間ほど早く見頃の時期を迎えました。夏と見紛うほどの陽気のなか、古典桜が点在する鮎貝地区を車でドライブ。桜を求めて楽しいひとときを過ごしました。

 

 

(1)釜ノ越の桜と二世木

釜ノ越の古典桜は、樹齢八百年を超える山形県内有数の巨木でしたが、徐々に樹勢が衰えて来ていたとのことで、昨年はとうとう花を咲かせることなくシーズンを終えました。今年もご覧の通り、青空のもとで静かに佇み、周りの若い木々を見守るかのように沈黙を守ったままです。

 

残雪が残る朝日連峰を背景に、二世木や若い桜達がのどかな風景を美しく形作っていました。この釜ノ越農村公園では、屋外イベントや屋台も軒を連ね、町内の桜の名所のなかでは一番賑わいを見せていました。満開を期待しての桜ドライブでしたが、舞い散る桜には満開の桜には無い風情があるのも確か。帰り際に観光バスを数台見かけました。

 

 

(2)山口奨学桜

旧山口尋常小学校の跡地に根を張る樹齢百年弱の銘木。側近くで仰ぎ見ると、四方の青空に届かんばかりの豪勢な枝張り。堂々とした姿の大木です。地区住民の方々でしょうか、訪れた観光客に桜湯を配ってもてなされていました。嬉しい心配りですね。地元の方のからお話を伺うと、昨日4月21日(土)に一気に満開を迎え、そして一日足らずで早くも散り始めたとのこと。昨日はこの辺りでも30℃近い気温に達したことと強めの風が吹いていたことから、今年の桜の見頃は短期間となったようです。

 

(3)十二の桜

「十二の桜」とは、かつてこの地にあった十二薬師堂に由来しています。現在人々の目を引いている大木は三代目とのことですが、推定樹齢四百年を誇る古株からその命脈を受け継いでいるそうです。今回訪れた桜群の中では最も花びらが残っていましたが、この日も時折強い風が吹いていました。ここ置賜地方でも桜の季節は終わりを迎え、山々に緑が蘇る新緑の季節が訪れることでしょう。