三菱一号館美術館

トワイライト、新版画 」展を

観に行ってきました

 

 

新版画」というのは、

明治末期に浮世絵の復興を目指したもの

 

近代化していく日本の風景を題材に

新しいタッチで描きますが、

失われゆく江戸の風俗を惜しむ感傷も

反映されているようです

 

本展では、アメリカのスミソニアン国立

アジア美術館が所蔵する

ロバート・O・ミュラー・コレクションの作品

を中心に展示しています

 

つまり新版画は、海外のコレクターに

評価され人気があったということです

 

 

副題にあるように、小林清親からスタートします

 

「最後の浮世絵師」と呼ばれたひとりです

 

明治の刻々と変化する街の風景を描き留めた作品は

江戸時代までの浮世絵とは一線を画しています

 

≪大川岸一之橋遠景≫ 小林清親 明治13年 

月明かりの光と影の描写が印象的な一枚

 

≪浅草夜見世≫ 小林清親 明治14年

暗闇も描く対象として成立してきたのか?

 

≪明治十四年一月廿六日出火 両国大火浅草橋≫ 

小林清親 明治14年

火事を題材に描くというのは

江戸時代まではなかったことか?

 

小林清親の弟子で活躍したのは井上安治

 

26歳で早世してしまうので作品数は少ない作家です

 

≪銀座商店夜景≫ 井上安治 明治15年

灯りと暗闇、そして影の描き方が独特です

 

≪浅草橋夕景≫ 井上安治 明治13年

まさにトワイライトの風景

 

時代的には、新版画ではなく、

浮世絵に西洋の陰影法を取り入れた光線画に分類

されるようですが、その画風は新版画と変わりません

 

そういう意味では、この20年以上後に登場する

新版画を先取りしていたと言っていいでしょう

 

 

この後に登場する新版画は写真撮影禁止だったので、

絵葉書からちょこっとだけのご紹介です

 

新版画を確立させたのは、川瀬巴水です

 

日本的な美しい風景を叙情豊かに描いた版画で

人気を集めました

 

特に人気の高い米国では、

北斎、広重に並ぶ「3H」と呼ばれるそうです

 

≪東京十二題 木場の夕暮≫ 川瀬巴水 大正9年

 

そして「新版画の双璧」のひとりが吉田 博です

 

≪穂高山≫ 吉田 博 大正10年

吉田 博は洋画家なので、題材、技法ともに洋風です

 

同じ版を使い、色を変えることで「朝・昼・夕・夜」の

光の変化を表現する手法を採用するところは

モネに通じるものがあります

 

 

本展は、トワイライトにかけた風景画が中心ですが、

新版画のジャンルはもっと多岐に渡ります

 

2022年に千葉市美術館で開催された

「新版画 進化系UKIYO-Eの美」展では

もっと多様な新版画を観ることができました

 

その時のブログ記事はこちら↓

新版画 進化系UKIYO-Eの美 | アートな部屋