なんともおかしな姿だった。
僕は地元の図書館からの帰り道。
陽が傾きかけた夕方の道すがら・・・。
表通りは小さな店や民家が建ち並ぶ。
とある民家に差し掛かると、ふと目に入ったのはかなり違和感の
ある男の姿だった。
民家の玄関のドアの右側は壁だ。
その壁に向かって直立不動で立つ、迷彩柄のズボンの男。
壁に向かってというより、壁にぴったりと張り付くようだ。
変な立ち方してるなあ・・・。
僕は一瞬目を離した。
通り過ぎ際に再びその家に目を移すと、そこには誰もいなかった。
逢魔が時には妙なもんが現れますな・・・。