東海道五十三次 自転車の旅
8月14日 11日目 (快晴)
(三島宿~箱根宿~小田原宿)
昨日は早い目にホテルに着き,やや長い目に休養も取れた。旅も後半に入り、「後わずか・・・」と、「・・・いよいよ箱根!」が楽しみを増幅させている。極限の披露も期待の精神力で何とかカバーする材料にこと欠かないのが、旅の良さだ。
出発前の部屋で、洗面所では3人共それぞれ十分な態勢であった?まだ、私達は今日の怖さを知らない。
出発して、先ず三島大社お参りとなった。境内入り口に自転車を止めて、鳥居をくぐる。縁日なのか境内は出店と白装束の地元の氏子か?そして参拝客がうようよ?してごったがえしている。厚い真夏を一層熱くしている。
人酔いに会って疲れない内にと、参拝して早々と自転車の処へ引っ返す。
3人は再び自転車の人となり、娘を間にして力強く?出発。
箱根と言えば、一人で初めて大学受験で東海道線の「丹奈トンネル」を通ったのを思い出す。昭和8年に開通したこのトンネルは、およそ8Km。文明は箱根(歌で言う天下の険)をわずか数分で通り抜ける時代に変えた。
様々な小説や映画・ドラマでは、旅人を困らせた、江戸時代には西の有力大名から幕府を守る要でもあった。その区間を私達は今、自転車で越えようとしている。
いよいよ、上り坂にさしかかるのか、旧道の案内板が見えてきた。国道1号線は度々表示の柱が立っており、峠(箱根町)迄の案内を度々目にした。旧道(細い車道)の案内図は細い線で詳しく書かれているようだが、見るからに険しそうだ。国道が出来て随分なだらかになったのだろうが、それだけ迂回カーブも多く取り、距離面は随分増えたのだろう。
3人決意を新たにして、さァ 出発!!
ここで、老若の差が露呈してくる。大阪を出て、幾つもの峠を越えてきた。その時は余り年齢の差は感じなかったが、この坂道で自分たちが年配者であることを思いっきり知る。
申し合わせたように、夫婦2人は自転車を押していた。娘はというと、我々の歩行時間にあわせて、ゆっくりとぺタルを踏んでいる。
休憩所らしい空き地を見つけて休憩した時た。私はズボンを脱いで休憩に入っていた。格好なんて構っておれない心境だ。
中腹を過ぎれば、景色の素晴らしさに癒される。「もう少し、頑張ろう・・・」と景色が後押ししてくれる。幸い、歩道が広くとられており、少々の蛇行の進行も、多くの通過する車に迷惑もかけないし、事故の心配もない。
3~4時間も過ぎただろうか。坂道がやや平坦になり、横断歩道、信号を見かける。
「お食事 峠茶屋」の看板が目に入る。一休みだ。と自転車を止めて、店中へ。
若い娘連れの埃まみれの異様な連れに見えたのか、茶屋の女将らしい人が「自転車で登ってきたのか?」と問いかけてきた。「そうだ」と答えると驚いた様子だった。話を聞くと、単身やグループの男性旅行者は多いが、こんな女性連れは初めてだ。とのことだった。
茶店で鋭気を養い、再び、出発。ここからは、みんなペタルを踏める程度の勾配道が続く。ところどころにそびえている杉木などを横目に「芦ノ湖」が一望できるビューポイントの休憩所に着く。
やがて、民家や別荘らしい建物が目につくようになる。箱根町の”繁華街〟に入った。芦ノ湖の船着き場や土産物屋・ホテル・遊園地などは、丁度夏休みで子供連れの観光客でにぎわっている。
江戸幕府は、新居の関所・大井川の川渡し・そしてこの箱根関所など二重・三重に通行者を厳重に監視した。そして、御三家や親藩大名(含.大阪・京都各所司代)を要所に配置して、万全の幕藩体制を敷いた。
今晩泊まる小田原もその一つだ。しかし、今の関所は観光地として、相変わらず賑わっている。
夕方も近くなり、入場門も閉まりかけているので、柵越しに覗いて、通過することにした。
これからは、旧道を下っていく予定。本道の方が早いが、毎年正月に行う「箱根駅伝」の道は、今日登ってきた道より勾配もきつくまた交通量も激しく、途中に湯本温泉街など建物も多いので危険も伴う。以前友達とのドライブ旅行の経験から、敬遠する予定にしていた。
さて、高い杉並木を通っていると昔の石畳らしい細い道があり、観光客が歩いているのが見える。我々が通っているのは、車が行き交う程度の旧道だ。暫く走ると道は急に勾配がきつくなってきた。自転車は両方のブレーキでないと制御がきかないくらい。
細君・娘は「ままチャリ」なので、くれぐれもゆっくり慎重に!と注意していた。
ところが?新しく買った切り替えのきく小生の後輪から煙がモクモク。。ブレーキが焼けたらしく制御が効かなくなった。「どうしたものか」森の中を走っているので、周りは暗くなってきている。
「片足だけのぺタル乗りでいこう」試してみると案外うまくいく。でも、このまま小田原まで大丈夫か? (以後、何とか小田原まで行けたが、これからの事は明日のページでお知らせしたい。ハプニングあり!)
(出発ー9:00 小田原到着ー20:00頃 走行距離:46.9Km)
(つづく)