<第22話(就労編)に続き 応募時 の苦情・怒り編です>

 

●応募の際の苦情 ◇相談者多数◇

 相談窓口で、時々、求職者から応募の際に応募先から不愉快な扱いを受けたと苦情を受けた。

 多かった苦情としては・・・

 

 ・面接の時に、平気で家族構成、離婚理由、子供の高校名、夫の勤務先 などを聞かれた。

 ・面接の時に、求人票に記載してある内容と、大幅に異なる条件を提示された。(例:正社員求人なのにパートでどう?と言われた。わかっていたら応募しなかった)

 ・内定と言っておきながら雇用契約書を文書で交わさない。雇用条件を文書で出してほしいというと即不採用と言われた。

 ・面接後、2週間以上経たっても返事がなく放置されたまま。本人からの依頼をうけ、ハローワークから問い合わせると、「忘れてた、すみません」とのあっさりした謝罪。就職は、応募者の生活が懸かっていることを全く自覚していない。

 ・店舗にいって、「面接に来ました」といったら、いきなり、「裏口から来るのが当たり前だろ」と一方的に言われ不採用になった。裏口があることも知らなかったし、応募の際になんの指示もなかった。今後、この店から絶対買わないことにした(本人弁)。

 

                                 などなど

 

●法律を知らない事業主たち

 こういうケースとなりうるのは第22話でもふれた事業所と重なることが多いのだが、その中でも、面接時に聞いてはいけないことを聞くのは、高年齢の経営者か採用担当者が圧倒的に多い。

 法律を守らないというより、法律を知らないことも多い。ただ、その場合、全く悪気がないだけに余計に始末が悪い。

 

 これらの苦情については、厚生労働省に専用の電話窓口もあるし、職業相談窓口に申し出てもらってもよい。求職部門内で記録として残し、求人部門と情報共有するようになっている。事業所に注意をして欲しければ申し出てほしいが、ただ、それだけではいきなり、求人受付を停止するような行政処分(罰則)までにはいかない。

 事実関係を確認し、事実だったとしても、まず注意喚起レベルでとどまる。改善が見られない場合にはじめて求人受付の停止などの処分がされるが、不愉快な思いをした当事者にとっては、すでに終わったことになるので歯がゆいところである。

 こういう時は、入社前に雇用管理が杜撰な会社であることがわかってよかった。こっちから願い下げや! と思うようにしてもらって割り切るしかない。

 こういうことはいずれ口コミで広がり、そのうち応募者がいなくなり人手不足で困ることになる。自業自得である。