学校がいじめを誘発するのは、例えば、以下のルールがあるときのようです。
■小学校
・運動会の練習で忘れ物をすると、運動会当日のチームの点数が引かれるというルール
・学校/学年/クラス/班単位のグループ活動で、誰か1人が失敗したら、
全員がマイナス評価になるルール
例えば、 『忘れ物調査/持ち物調べ』など
・給食の後で「今日は25人が完食!」などと発表する
例えば、『給食の残量調査/完食/食品ロスゼロ運動』など
■中学校
・部活動が終わって午後6時までに校門を出ないと、部活全体が1週間の活動停止
これらに共通することは何でしょうか?
それは、
個人の失敗 = 全体の失敗 → 『連帯責任』が問われることです。
つまり、誰か1人でも失敗すると、だんだん、
「○○さんのせいで、▲▲という罰を受ける羽目になってしまった。」
「あいつが悪い。」
「おれはやっているのに、あいつはできない。」など、
とかくクラスメイトを責め、監視し始める構造となるからなのです。
間違った連帯責任、班活動により、いじめが誘発されると奏は、
1999年の福岡市の小中学校を調査したデータから、論文で以下のように結論づけています。
・班競争といじめとの間に、一定の関係性があることだけは確かである。
・連帯責任で罰を与えると言うことになると、さらに明確である。
・班競争や連帯責任で罰を与える教育活動が、
あくまで結果論とはいえ、子供達のいじめを誘発しているという事実はやはり否定できない。
■参照論文
奏政春著, 『いじめ問題と教師 : いじめ問題に関する調査研究(Ⅱ)』, 大阪大学紀要, 1999, pp.250-251
※表のD.K.N.AとはD.K=Don't know(分からない)、 N. A= not answered(無回答)
そもそも、『なぜ、連帯責任による罰を与えることがなぜいけないのか?』
この回答は、毎日小学生新聞の『おかしなルール』の中で、
弁護士の山下敏政さんは、子供達に以下のように分かりやすく説明しています。
※下記参考URL参照ください。
「学校の中なかでも、
他人がやったことで責任を問とわれるのは完全なとばっちりです。
しかも、監視し合あったり、
『おまえのせいで』と批判したりすることにつながります。
教育基本法が掲かかげる『一人ひとりを尊重する』という考えと正反対です。」
例えば、忘れ物などは、クラスで取り組む事柄ではなく、
個人が取り組むことなのです。
したがって、教師は、児童、生徒の個々を見て、指導すべきです。
しかも、昨今、発達障害の子供もおり、やりたくでもできない子も居るのです。
個別指導に割く時間がないとの言い訳により、
教師側の意向により、集団活動にすることで、子供達に互いを監視し合うシステムを導入し、
教師が手抜きをすることが大問題です。
あなたの学校は、いじめを生産する教育をしていますか?
NO MORE 連帯責任!、 NO MORE いじめ!
詳しく知りたい方は、下記のURLを参照ください。
●参考URL
奏政春著, 『いじめ問題と教師 : いじめ問題に関する調査研究(Ⅱ)』, 大阪大学紀要, 1999, pp.250-251
部活や運動会で「連帯責任」(その1)【毎日小学生新聞 おかしなルール】
部活や運動会で「連帯責任」(その2止)【毎日小学生新聞 おかしなルール】